2010年4月2日金曜日

『医薬品クライシス』読んでみた

友人に薦められた『医薬品クライシス』を読んでみた。元製薬メーカー勤務の研究員が著者。



新薬を作るのはこんなに大変なんだぞー、という内容。確かに大変です。ですが、先日医薬品メーカーの裏の顔で書いたように、製薬メーカーに対する批判的な思いは変わっていません。なぜなら、大変だからこそ変わらなければならないのに、なんとか少しでも生き長らえようという姿勢だから。

もちろん大企業が故に、簡単に変われないという事情もあるでしょうし、すべての製薬会社を十把一絡げに「悪だ」などと言うつもりはありませんが、製薬業界にパラダイムシフトが必要なのは確かかと。
例を以下に思いつくまま挙げてみました。



既存の薬を大きく上回る効果をもつ薬を”新薬”とし、特許期間中大いに儲ける。比較対照をプラセボではなく、既存の薬としたのはよかったと思う。ただ、特許の期間をできるだけ長く取るため、承認審査期間の短縮が必要かと思います。(行政の努力すべきポイント)


特許が切れたら、見苦しいことはせず潔くジェネリックに譲る。なぜなら、その方が世界中の患者のためだから。あるいは自らジェネリック用の子会社を設立するのもアリだと思います。
ジェネリックに対して批判的な意見もあるでしょう。が、先発メーカーが同じ薬を同じ工場で作り、名前だけ変えて売るなら文句ないはず。


あるいは既にその流れはありますが、新薬候補化合物を作るのはバイオベンチャーで、それを臨床試験に回すのは製薬メーカーが、というように分業する。製薬メーカーは新しい体制でやっていけるよう、組織をスリム化する必要がありますね。

収益性向上のため、卸を通した流通を見直すことも必要。
これについてはまた改めていつか書きます。




昔は”船渡し”なる職業がありましたが、橋が架かったとき彼は職を失った。

他の川に移動して同じ仕事を続けるか、あるいは他の仕事を探すか、それとも同じ川で観光目的の遊覧船というコンセプトに転換するか。


チャールズ・ダーウィン曰く
「最も変化に適応できる種が生き残る」

逆に言うと、変化に適応できず、過去の栄光にすがる者は淘汰されるのではないでしょうか?もちろん製薬メーカーに限った話ではありませんが。