2013年9月6日金曜日

持ち家派が勝つシナリオ

最近、周りで持ち家の話がちらほら出ていたので書いてみた。

私自身は明確に賃貸派で、家を買う人は「非論理的な持ち家信仰」か「数字に弱い」か「妻や親の要求を断りきれず…」のどれかが原因だと思っています。「ふらっと散歩がてら見に行ったら衝動買いしちゃった」なんて強者もいましたが、これは例外でしょう。

とはいえ、賃貸が万人にとって絶対に間違いない、とまでは思っていません。持ち家派が有利になるケースもあるでしょう。

それってどんなケース?をまとめてみました。


1.需要が高まる


不動産市場が今後も下がり続ける3つの理由で書いた通り、私自身は日本国内の不動産市場の先行きには悲観的ですが、「全体として下落傾向」であることと「すべてが下落する」は違います。何らかの理由で需要が高まり、上がる地域もあるはず。

今後どういう地域が上がるかは、地元ですら土地勘の薄い私には皆目見当もつきませんが、例えばブランド地域(芦屋や自由が丘?)のように価値が価値を呼ぶ地域と、便利な地域(主要駅周辺)のどちらかでしょうね。あるいは今は違っても将来変わる可能性もあります。(新しい駅ができるとか)

ただ、この”価値上昇”の恩恵に与るには、持ち家を売らなければなりません。当然ですが、4000万円で買った家(+土地)の評価額が8000万円になったとしても、家に住みながら4000万円もらえるわけではないですし、ローン支払額も変わりません。

仮に売却して4000万円手に入れたとしてもどこかに住まなければいけないので結局は住み続けるとしたら、「価値上昇により得をした」というよりは「安いときに買っておいてよかったね」と言った方が近いですね。もし買っていなければ、そこに住む家賃は上がっていたはずです。


2.金利急騰


日本は長らくゼロ金利ですが、これが急激に上昇した場合どうなるか?全期間固定金利で借金をして不動産を買っている人の大勝利です。ただ、そのとき不動産以外の資産評価額がどうなるかはまた別問題。

最近は全期間固定金利の住宅ローンはあまりないとも聞きましたが、どうなんでしょう。銀行も金利変動リスクをできるだけ顧客側にもってほしいんでしょうね。ノンリコースローンなんて夢のまた夢。


3.ローン完済まで住み続けることができた


「賃貸と持ち家、どっちがおトクか?」の神学論争はあちこちで見ますが、期間を長く取るほど持ち家派が勝つ可能性が高まることが多いです。ただし、不動産評価額や家賃相場、金利変動がなかったとしてのシミュレーションなので、あんまりアテにはならないんですが…

逆に言うと、賃貸派は所有リスクからフリーでいられる代償として大家にプレミアムを支払っているので、(後で見れば)所有リスクを取るべきだった!というケースだと持ち家派の勝利は当然ですね。(問題は、それが先にはわからないことですが。)

なので、ローン完済の35年後まで住み続ける事ができたなら、「持ち家を買って正解だったね」と言えるのかもしれません。あるいは自分で35年続けて住まなくても、途中から誰かに貸せたりした場合でもOK。汎用的な間取りがいいですね。

ただ、一家4人で暮らすべく一戸建てを買ったものの、子供が大学ないし就職で家を出て行くのは約20年後。残り約15年は確実に部屋が余ります。

また、ローン完済後自分や家族で住み続ける分には問題ありませんが、売却するとなるとおそらく土地分の価格にしかなりません。なぜなら築35年の中古物件だから。



以上です。

「家なんて買わねーよ」と常々言っている私ですが、持ち家派に有利なシナリオも一応頭の中にあるんです。ただ、それでも賃貸の方が有利であると確信しているので、今後も家を買うことは絶対にないでしょう。


以前からずっと不思議に思っていること。

個人でラーメン屋をやるために、店用に土地付き一戸建てを買うなんて人はまずいませんよね?同じく大家の側も、テナントが空いているからといって自分で店子になって雑貨屋を始めようなんていう人はまずいません。

事業リスクと不動産所有リスク、通常これらのリスクは別々の人が取り、契約に基づいて貸手と借手になります。「お互いが自分の守備範囲以外のことを外注してリスクフリーになっている」とも言えます。

それなのになぜ、多くの人は居住用だと土地付き一戸建てを買ってしまうんでしょう?多くの人はある意味でサラリーマンという名の事業主であり、しかも様々なことにコントロール権がありません。本来不動産所有リスクが取れる人なんて多くはないと思うんですが…

これから時代は激変します。今以上のスピードで。今後何より大事なのは流動性なのに、それをわざわざ放棄するなんて私には考えられません。

「宝くじで1億円当たったら家買う?」とたまに聞かれますが、私なら「1億円分の株式を分散して購入し、配当金でもって家賃を支払う」と答えるようにしています。

関連記事:持ち家派の非論理的な意見を論破

PR