2013年11月11日月曜日

なぜ私は薬剤師なのに薬が嫌いなのか?

私の本業は薬剤師ですが、正直薬は嫌いです。できるだけ飲みたくありませんし、病院にもほとんど行きませんし、人にも勧めません。

なぜそこまで薬が嫌いなのか?理由をまとめてみました。


薬は対症療法に過ぎない


「薬は病気を治すもの」と思っている人、本当に多いです。薬剤師ですらたまにそんな人を見かけますが、違います。薬は症状を抑えるだけで、治すのは自分なんです。

例えば風邪薬。鼻水を止めたり咳を止めたりはできますが、風邪のウイルスを撃退するのは唯一、本人の免疫システムなんです。もし免疫不全なら風邪で死ぬし打つ手なし、ということからもそれがわかると思います。

これはすべての薬について言えます。


急性疾患に薬は有効、生活習慣病には…?


例えば頭痛。通常は一時的なもので放っておいても治りますが、鎮痛薬を服用すれば痛みは消えます。本当は痛みは続いているのですが、薬が効いている間はそれを感じずに済みます。そうこうしてる間に痛み自体が消え(薬の効果も消え)、本当の意味で治ります。

しかし2型糖尿病などの慢性疾患の場合。SU剤はもちろん血糖値を下げますが、血糖値が上がるに至った原因を取り除いてくれるわけではありません。とりあえず薬を飲んでいる間だけ血糖値を下げるのみ。対症療法です。


自分に甘く、他者に依存する人が頼るもの


生活習慣病に対する薬は、「食事療法や運動療法で効果が不十分な場合」という前提がありますが、一体どれだけの人が”十分な”食事療法と運動療法を続けているでしょう?

「食べたいものを食べたいし運動なんて面倒くさい。薬でなんとかして」

こういう思考が根底にありますね。永遠にダイエット中の人と同じ。

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破綻した夕張市がまさにそうだったようです。著者である医師は、患者たちが望むような過剰な投薬をせず、生活習慣の改善や予防医療に力を入れたそう。当然ながら、最初は嫌がられたものの、根気よく続けるうちに成果は出たようです。

「病院に行けば病気を治してくれる」ではなく
「治すのは自分だし、病気にならないようにできるのも自分」


とはいえ、頭が痛ければ頭痛薬を飲みますし、咳がしんどければ咳止めを飲みます。下痢をすれば下痢止めを飲みますし、細菌感染なら抗生物質も飲みます。要は使い方です。

本当の意味で病気を治す、あるいはそもそも病気にならないよう予防する。この方向性において、薬なんて必要最小限でいい。私はそう思っています。

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