2009年7月25日土曜日

ジェネリック医薬品が普及しない理由

後発医薬品(通称ジェネリック医薬品)の普及が進まない。理由はいろいろありますが、最も大きな理由のひとつ。

ぶっちゃけたところを言うと
「薬局にその気がない」
これに尽きます。

つまり薬局が悪いのかと考えるのは早計。なぜ?を考えたその先に答えがあります。

理由を細かく分けると
1.Drとの力関係
2.在庫負担
3.薬価差益が取りにくい
この3つ


まず1

”後発品への変更不可”とする処方箋は、実はほとんどありません。しかし薬局が勝手に変更できないケースがあります。もちろん法的には問題ない、大人の事情というやつですね。

つまり、処方箋では「後発医薬品変更可」としつつも、「変更しないでね」と薬局に(内々に)釘を刺していたりするケース。マンツーマンで処方箋を受けている薬局には事実上、変更することはできません。


次に2

基本的に、調剤薬局の在庫回転率は悪い。なぜなら100T包装で買った薬のうち、今月は28Tだけ使い、来月にまた28T使い。という使い方がほとんどだからです。

つまり、もしすべての品目の後発品を揃えようとすると在庫金額が膨れ上がり、回転率はだだ下がり。さらに、もしせっかく揃えた後発品が使えなくなると(つまり、その患者さんが来なくなると)たちまち不良在庫になる。
零細薬局が後発品変更に消極的なのは当然です。


最後に3

先発品の価格を100、後発品の価格を70とします。値引率10%だとすると、それぞれ薬価差益は10と7。そう、先発品の方が儲かるのです。




行政は掛け声だけは立派ですが普及しない原因が見えていない。あるいは意図的に見ようとしていないのかもしれません。強行すれば院外処方ビジネスモデルは崩壊する。

解決できる手段はひとつ。
「一般名処方の義務化」
これしかありません。

つまり商品名で処方箋を書くのを禁止し、成分名で書くことを義務付ける。
例えば、ロキソニン錠60mg ではなく ロキソプロフェン錠60mg と書く。ロキソニンを出そうが、ロルフェナミンを出そうが、ロブを出そうが、ケンタンを出そうが自由。
こうすると品目決定権は薬局に移り、在庫リスクが減るので後発品普及率は飛躍的に向上するはず。