2013年6月10日月曜日

「生活保護受給者には後発医薬品を使え」がマジで始まる?

以前生活保護受給者には後発医薬品を使え?で書いた通り、生活保護受給者は後発医薬品の使用を原則とするという方向で国は動いていますが、いよいよ具体的な日程が出てきたようです。どうやら今年の10月から?

厚生労働省 生活保護法の一部を改正する法律案について
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/soumu/houritu/dl/183-42.pdf

具体的にどう促進していくのかというと

生活保護の医療扶助における後発医薬品に関する取扱いについて
http://www.nichiiko.co.jp/stu-ge/admin/pdf/20130516seikatsuhogo_GE.pdf

簡単にまとめると

生活保護受給者が
後発医薬品への変更を不可としていない処方箋を持参した場合
原則として後発医薬品を調剤すること
もし先発医薬品を希望された場合は理由を福祉事務所に報告すること

こんな感じですね。
関係者としては薬局ー受給者ー福祉事務所のトライアングルです。

大まかな方向性としては賛成ですが、個人的に「もっとこうすればいいのに」と思ったことを3点書きます。


1.差額自費負担方式を使えばいいのに


生活保護受給者には後発医薬品を使え?でも書きましたが、「先発医薬品を希望する場合は差額を自費で負担する」としてしまえばよい。そうすればこんな面倒なことをせずとも大半の人が後発医薬品を希望するでしょう。

それでも先発医薬品を希望するならよほどの理由ですし、自費とはいえ薬剤費のみ、しかも差額分だけなので過度の負担というほどではないはず。(もちろん後発医薬品が発売されていない品目は除外。)


2.生活保護に限らなければいいのに


生活保護受給者には後発医薬品を使え?でも書きましたが、生活保護受給者に限らず全国民に適用すればいいと思います。「ナマポはジェネリック使ってろ」という考え方自体差別的ですし、先発医薬品と後発医薬品の違いを正しく理解していません。

生活保護に限った施策にしているあたり、某芸人に端を発する生活保護バッシングの延長戦の臭いがします。愚民のガス抜きもいい加減にしてほしい。


3.医師会にも協力を仰げばいいのに


「後発医薬品への変更を不可としていない処方箋」としつこいほど断りを入れているあたり、医師会への遠慮が透けて見えます。

もちろん日本最大の圧力団体と名高い医師会を相手に事を構えるのは得策ではないという判断でしょう。処方内容にちょっと注文をつけられただけで「処方権の侵害だ」とファビョる医師も多いですし(苦笑)

医師会には何も求めず黙っていてもらい、先発医薬品メーカーにも「生保だけにしますから」と我慢してもらうという構図ですね。政治的には正しいのかもしれません。



しかし、残薬確認でもそうでしたが何でこんなに力技というか人海戦術なんでしょうね。日本全国の薬局で

「生活保護の方にはジェネリックでお渡ししています」
「え?先発品がいい?では理由を教えてください。」
「では福祉事務所に報告しますね」
「いや、そう言われましても義務ですから!」

こんなやり取りが行われ、薬局から福祉事務所へ膨大な量の報告が届く。薬局もたいがい面倒くさいですが、おそらく福祉事務所はもっと大変。そのうちなし崩し的に形骸化すると予想。


正しい方向に人々が動くような”仕組み”を作ってあとはうまく回っているか見届ける、そんなやり方がスマートかつ効果的なのにと常々思っています。


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