免疫抑制剤であるプログラフカプセルの後発医薬品(ジェネリック医薬品)が、今月発売されるようです。特許切れの際にお決まりの発売メーカーゾロゾロが今回はなく、なんとファイザー一社のみ。
ファイザー公式HP タクロリムスカプセル
http://pfizerpro.jp/lp/establish-g/products/dc10/tacrolimus_cp/index.html
なぜファイザーだけなのか非常に気になるところではありますが、それはさておき、押さえておくべきポイントを3つにまとめました。
1.適応に違いがある
プログラフカプセル 添付文書
http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/800126_3999014M1022_3_24.pdf
臓器移植における拒絶反応の抑制、骨髄移植における拒絶反応及び移植片対宿主病の抑制は先発医薬品も後発医薬品も適応があります。
が、重症筋無力症、ループス腎炎、難治性の活動期潰瘍性大腸炎の適応は先発医薬品のみ。
つまり、後者の適応で処方されているプログラフカプセルは後発医薬品への変更が不可ということになります。
関連記事:後発医薬品の適応は先発医薬品と合わせろ
2.薬価は3割引
今年2月のアレグラと同じく後発医薬品を発売するメーカー数が少ない(というか一社な)ので、薬価は4割引とはいかず、3割引に留まっています。
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3.公費もちの患者には変更するインセンティブがない
「高額な薬なので3割引でも大きい」のは事実ですが、プログラフカプセルを服用している患者の多くは、実は窓口負担なし。「お金いらないならわざわざ後発医薬品に変更しなくても…」となるのは仕方のないこと。
生活保護受給者はもちろん、乳幼児やひとり親などの公費もちの患者も同じく。「国の医療費抑制のために〜」と意識の高い人なんてごくごく一部。
関連記事:生活保護受給者には後発医薬品を使え?
以上です。
ちなみに正確には業務提携しているマイラン製薬との共同らしいです。何でも、免疫抑制剤の承認実績がないと審査が通らなかったとかで、シクロスポリンを販売しているマイランの力を借りた形。
なお、薬価は以下の通り。
プログラフカプセル0.5mg:465.2円
プログラフカプセル1mg:821.8円
プログラフカプセル5mg:3108.6円
タクロリムスカプセル0.5mg「ファイザー」:未定
タクロリムスカプセル1mg「ファイザー」:未定
タクロリムスカプセル5mg「ファイザー」:未定
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