2015年2月13日金曜日

薬価差益が消費税増税で逆ざやになる犯人は卸(と製薬会社?)


医薬品の流通過程での消費税のかけ方がオカシイ件でもお伝えした内容ですが、あれから一年が経ちましたし、改めて書きます。広く業界に広まってほしいので、心あるかたは拡散をお願いします。

薬局ないし院内処方の診療所において、医療用医薬品を仕入れる過程で消費税のかけ方がオカシイせいで、消費税が今後どんどん上がっていくと赤字、つまり逆ざやになってしまう、という内容です。


1.逆ざやが起こる過程


公定薬価100の薬があるとします。これを製薬会社は10の製造原価をかけて80で卸に販売。卸はそれを85で薬局に販売。薬局は100で患者に販売。

→10 製薬会社 80→ 卸 85→ 薬局 100→ 患者 

こんな感じですね。

しかし、現実には流通過程で消費税がかけられます。今は8%ですから

→10.8 製薬会社 86.4→ 卸 91.8→ 薬局 100→ 患者 

こんな感じですね。

10%になったら

→11 製薬会社 88→ 卸 93.5→ 薬局 100→ 患者 

20%になったら

→12 製薬会社 96→ 卸 102→ 薬局 100→ 患者 

おや?薬局が赤字になりますね。これが逆ざやです。


2.逆ざやの原因


医薬品の流通過程での消費税のかけ方がオカシイ件でもお伝えした通りですが、原因は流通過程での消費税のかけ方がオカシイの一点に尽きます。

なぜなら「薬価は税込み」のはず。ゆえに、税込みのはずの薬価に値引率を適用し、最後にもう一度消費税率をかけて二重課税になっているのがそもそもの原因です。そりゃ税率を上げていけばどこかで必ず逆ざやになりますよ。

税制として「非課税」というカテゴリ自体がアレなんですが、ここでは論じません。それ以前の問題だからです。


3.逆ざやの解決策


同じく医薬品の流通過程での消費税のかけ方がオカシイ件でお伝えした通りですが、「税込み薬価と税抜き薬価を制定する」もしくは「内税で価格交渉する」です。前者は国レベルで、後者は事業主or個人レベルでの解決策です。

国も診療報酬ないし調剤報酬の非課税問題でアレコレと対策を打ってはいますが、ほとんどがトンチンカンなツギハギ対策。「流通過程での二重課税を禁止」or「税抜き薬価を制定する」or「非課税をやめる」とすればいいのに、診療報酬と調剤報酬に「消費税補填分を上乗せ」というやり方をしてしまったため、収拾がつかない事態に。


言わずもがなですが、本来あるべき姿は


消費税10% ()内は消費税

→11(1) 製薬会社 80(7.27)→ 卸 85(7.73)→ 薬局 100→ 患者 

消費税20%  ()内は消費税

→12(2) 製薬会社 80(13.33)→ 卸 85(14.17)→ 薬局 100→ 患者 

こうですね。


ちなみに卸業界からこんな資料も↓

日本医薬品卸売業連合会
医療用医薬品では消費税で損税は発生していません(pdf)


趣旨としては「診療報酬や調剤報酬、薬価には消費税分が乗っているので損税は発生していない」というわからないでもない主張ですが、「消費税部分に対しても税率をかけている」という事実に気付いていないのか、知らんぷりしてるのか。

これを証明した記事が消費税逆ざや問題に薬価上げは効果なしです。消費税部分を示す(1+y)が二乗になっていることから二重課税とわかりますね。中学レベルの数学でわかる内容を業界人全員が間違っているとは思えないので、やはり「知らんぷり」しているとしか思えません。卸業界許すまじ。


以下は2年半以上前に書いた記事です。原因も解決策も明らかなのに、依然解消されていません。消費税率に合わせて卸に値引交渉をするのではなく、根本的に解決するべく二重課税をやめるよう働きかけていきませんか?

関連記事:消費税逆ざや問題の真の解決策

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