2012年10月19日金曜日

OTC医薬品は医療用医薬品と比べて効かないのか?


たまに聞かれる「OTC医薬品と医療用医薬品の違いは?」「OTCって効かないの?」についてまとめました。


ドラッグストアなどで購入できる医薬品のことを、業界ではOTC(Over The Counter)医薬品と言います。CMなどでよく見るバファリンやパブロンの類ですね。

対して病院にかかって処方箋を発行してもらい、それを薬局に持って行けばもらえる医薬品のことを医療用医薬品と言います。


さて、「医療用に比べてOTCは効かないの?」についてですが
結論から言うと、成分と量が同じなら同じです。
例を挙げます。


例えば有名なガスター10。これは医療用のガスター錠10mgと同じです。

厳密には、錠剤を形作っている賦形剤などが違っていればまったく同じではないのですが、有効成分である”ファモチジン”が10mg入っている錠剤、という点では同じです。先発品と後発品(ジェネリック医薬品)の違いに似ていますね。

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「OTCは効かない」と思われる理由はおそらく2つ。


1.OTCは医療用より用量が少なめ

2.OTCは医療用より種類が少なく作用が弱め




1について

例えばアレジオン10、医療用では成人に1日1回20mgが投与されますが、OTCではなぜか1日1回10mg。なお、OTCを2錠飲めば医療用1錠と用量は同じになります。(メーカーはオススメしていないはず。)

病院でガスター錠20mgを服用していた人が受診が面倒になり、同名のOTCを購入して服用したものの症状が悪化→再受診、という話はよくありそうです。おそらくこの人は「OTCは効かない、病院が一番だ」と一生思い込むことになるでしょう。


2について

抗生剤や抗真菌剤、抗ウイルス剤や向精神薬、胃酸分泌抑制薬や各種生活習慣病用薬など、OTCにない薬は多数あります。

また、外用ステロイドやNSAIDs(痛み止め)は比較的弱めのもののみOTC化されていたりもします。

「だからOTCは効かない」とは言えませんが、「医療用の方が種類が豊富で作用が強い薬もある」は事実。



ということで、「OTCは効かない」と決め込むのではなく、要は使いようです。受診すべきかOTCで事足りるかは、薬局またはドラッグストアにいる薬剤師に相談を。

余談ですが、OTC購入代も医療費控除対象になるのでレシートは置いておきましょう。

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