2013年8月7日水曜日

処方薬の紛失による再調剤は保険適応不可、自費で

高齢患者の「薬足りなかったぞ」は薬局永遠のテーマで書いた通り、「薬が足りない」と薬局に申し出る患者は少なくありません。実態はどうあれ、足りないのであれば薬は必要です。

薬局に落ち度がない場合、医師に頼んで再処方してもらうことになりますが、このとき保険適応不可、自費調剤になる点を押さえておきましょう。

なぜなら、100%患者個人の過失による再調剤なのに、そのコストを国民から集めた保険料で賄うのは不公平だからです。

しかし、実際はきちんと徹底されてはいないようで、問題点が3つあります。


1.保険番号記載で処方箋を発行している


処方医が保険適応で再処方しているケース。実際にはこれがほとんどだと思います。「こんなおじいさんorおばあさんから、自費で数千円も取っては可哀想だ」という感情からでしょうか。同じ薬局に行くならまだしも、違う薬局に行けばまず紛失だとはわかりません。


2.保険番号欄が空白でも、患者が保険証を提示する


処方医がきちんとする人で保険番号を記載せずに処方していても、患者がその処方箋と一緒に保険証を提示した場合、疑義照会までして自費調剤であることを確認できる薬局ばかりではありません。

特に、「先生が番号入れ忘れたのよ」「ちょっと急いでるから早くして」などと言われた場合はなおさら。


3.保険適応で請求しても審査機関で弾かれない


さて、保険適応で再調剤してレセプト請求をしたら拒否される(返戻がくる)のかというと、おそらくそんなことはありません。

これは、紛失による再処方なのか増量による追加処方なのか区別がつきにくいから、というよりは単にシステムの問題ですね。



以上のような流れで、誰も痛くない保険適応での再処方がまかり通っているのが現状で、現行システムでは完全に抜け道を塞ぐのは不可能です。

今後、高齢患者の「薬足りなかったぞ」は薬局永遠のテーマで書いたような「薬足りなかったぞ」に加えて「薬なくしたからもう一回出してくれ」も増えることが予想され、そのコストは医療費に上乗せされます。

病院ー薬局ー保険者をつなぐクラウド医療システムの、一刻も早い構築を望むばかりです。


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