2013年10月28日月曜日

薬局の利益構造

なぜ薬局はつぶれないのか?で書いた通り薬局は堅実で破綻しにくい反面、それでも薬局はつぶれるで書いた通り突然死リスクを抱えている業態でもあります。

そんな薬局の利益構造はどうなっているのか?簡単にご紹介。


1.薬剤料


「薬屋といえば薬九層倍で儲かってるんだろ?」と未だに言われますが、それは製薬会社のことで、薬局はあくまで小売り。薬局を経営する会社のバイイングパワーにもよりますが、だいたい値引率は10%そこそこ。つまり原価率9割近い薄利多売なのです。

ひと昔前は薬価差益でも儲かったらしく、4割引5割引で仕入れて利益をメーカーと病院で分け合っていた時代もあったそうですが時代は変わりました。病院が院外処方を出し始めたのが何よりの証拠で、「面倒なわりに儲からない」から院外処方にしたのです。「儲かるけど医薬分業という国の方向性に賛同したから」では決してありません。

また、メーカーが被るべき消費税の損金を薬局ないし院内処方の診療所に押し付けています。これについてはまた改めて書きます。

関連記事:消費税増税で薬局が潰れる?

ということで、実は薬局は「薬を売って儲けている」わけではありません。メインの利益源は次。


2.技術料


いわゆる”手数料”の部分。携帯電話の料金体系のように、処方せん1枚にかかる基本料と、処方日数が長いほど高くなる調剤料。その他こまごまとした点数がいろいろありますが、これらすべてが”粗利益”となります。仕入原価がゼロだからです。

関連記事:処方箋を持って行く薬局によって値段が違う件

「棚から拾ってくるだけで点数を取るのか」と批判される部分でもあります。確かに理屈はおかしいですが、これなくして薬局経営は成り立たず、院内処方に戻ってしまいます。これについてもまた改めて書きたい。


3.その他


おそらく一般的な薬局では誤差範囲。OTCや衛生用品、水剤の瓶代や軟膏の容器代。1と同じく仕入原価があるものですし、数量が圧倒的に少ないので無視して良いはず。



診療科にもよりますが、技術料比(=技術料/総点数)は2割くらいと言われています。薬をたくさん出す科がメインの薬局なら低く、逆なら高くなります。

例えば月の売上が1,000万円あれば、技術料が200万円、薬剤料が800万円。粗利益は200万+800万×0.1=だいたい280万円くらい。売上に対して2〜3割というところでしょうか?


大手チェーン二社を見てみましょう。数字は直近の有価証券報告書より。

アインファーマシーズ
売上高  :154,560,620千円
仕入原価 :130,118,447千円
売上総利益:24,442,173千円(売上比15.8%)

株式会社アインファーマシーズ 有価証券報告書第44期

日本調剤
売上高  :139,466百万円
仕入原価 :117,972百万円
売上総利益:21,494百万円(売上比15.4%)

日本調剤株式会社 有価証券報告書第33期


なんと2割に届きません。


結論。

薬局の粗利益率は2割あるかないかで、うち8割は技術料由来。


ところで「調剤報酬はうなぎ上り→薬局は儲け過ぎ→薬局の点数を下げろ」などという声が聞こえるのは不思議な話ですね…上記の通り、調剤報酬は分解すると8割が薬価由来なので下げるべきは技術料ではなく薬価でしょ。

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