2014年3月18日火曜日

薬の効く早さは水剤>散剤>錠剤カプセル剤って本当なの?


OTCなどでよく言われる都市伝説(?)「シロップなので早く効きますよ」、あるいは「粉なのですぐ溶けて効きますよ」

これって本当にそうなんでしょうか?なんとなく感覚的には納得できなくもない話ではありますが、私は常々「誤差範囲じゃねーの」と思っております。

いくつかの薬で調べてみました。


【メジコン】
錠/散のTmaxが2.1±0.3h〜2.6±0.4h、シロップのTmaxが2.0h。

一見シロップが早く効くようですが、有意差があるとまでは言えませんね。そして錠と散は同じ。

メジコン錠15mg/散10%
http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/340018_2223001B1210_1_04.pdf

メジコン配合シロップ
http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/340018_2249106Q1066_1_03.pdf


【クラリチン】
錠、レディタブ錠、ドライシロップすべてでTmaxは1.6±0.4h。

錠/レディタブ錠の添付文書には「レディタブ錠10mgは(中略)錠10mgと生物学的に同等である」と記載があり、ドライシロップの添付文書には「本剤10mgと錠10mgは生物学的に同等である」と記載あり。

なお、シロップ(日本では未発売)も生物学的に同等らしいです。もちろんすべてで薬物動態は同じ

クラリチン錠10mg/レディタブ錠10mg
http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/170050_4490027F1022_1_17.pdf

クラリチンドライシロップ1%
http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/170050_4490027R1029_1_09.pdf


【ザジテン】
カプセルのTmaxは2.8±0.2h、シロップのTmaxは2.8±0.4h。

ザジテンカプセル1mg 添付文書
http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/300242_4490003M1263_1_06.pdf

ザジテンシロップ0.02% 添付文書
http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/300242_4490003Q1125_1_06.pdf

シロップの添付文書に「ザジテンカプセルとほぼ同じと推定」と記載あり。グラフを見てもなるほど、有意差なし。



とはいえ、シングレア錠とシングレアチュアブル錠のように生物学的同等性が否定されているものもありますし、「剤形に関わらずすべて同じだ!」というのは乱暴すぎます。(極端な話、徐放性製剤もありますし。)

逆に、「すべての薬は水剤→散剤→錠剤の順に薬の効きが遅くなる」というのは、もっと無理がありそうです。


それよりも薬の成分によってTmaxが大きく違う点に注目する方が、よほど意味があるかと思います。上記例だけでもTmaxが2.8hだったり1.6hだったりしますし、ロキソニン錠なんて0.5hです。

というわけで結論。

剤形なんて気にすんな、それより成分に着目、データを見る


ということですね。
OTCを選ぶときは、とりあえず飲みやすい剤形でいいと思います。

関連記事:OTC医薬品は医療用医薬品と比べて効かないのか?