2014年9月26日金曜日

食品に表示されている成分表記載の、塩分とナトリウムの違い

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「食品の成分表示に”塩分”と”ナトリウム”の2パターンあるんだけど、どっちを見ればいいの?どう違うの?」

高血圧患者からたまに聞かれますよね。わかる人には超簡単な問題なんですが、確認していきましょう。誤った理解をしている人や、大学で習った知識を現場に応用しきれていない新米薬剤師の方は参考にしてください。


1.塩分とナトリウムの違い


塩分とは文字通り塩の量です。より正確に言うと塩化ナトリウム(NaCl)の質量です。厚労省の定める基準によると10g以下が望ましいとされていますね

対してナトリウムとは、ナトリウム(Na)の量です。そのままですね。食塩を構成する元素はNaとClですから、このうちNaだけに着目したのがナトリウム量だといえます。


Naの原子量が22.99、Clの原子量が35.45なので

10g × 22.99/(22.99 + 35.45) ≒ 3.93g

塩分が10gということは、ナトリウム3.93gということです。

話に出すときは”塩分”の方が扱いやすいのですが、あくまで着目すべきは”ナトリウム”であることを忘れないようにしましょう。このナトリウムが体内に水分を貯留させ、口渇→多飲→体液量増加による血圧上昇、の流れを引き起こすからです。



2.食塩以外にもナトリウムは含まれている


例えば旨み成分である”グルタミン酸ナトリウム”。ナトリウム、ときましたね。そう、出汁にもナトリウムは含まれています。

「出汁をきかせて塩分控えめに」とは言いますが、「いくら飲んでも大丈夫」なわけではありません。あくまでナトリウム量を減らせることに意義があるのです。



3.医薬品にも高ナトリウム含有品がある


例えばつくしA・M 配合散は炭酸水素ナトリウムが600mg含まれています。

H:1 C:12 O:16 Na:22.99

0.6g × 22.99/(22.99 + 1 + 12 + 16×3) = 0.16g

1日3回服用すると、0.48gのナトリウムを摂取することになります。これは一日目標量である3.93gの12%強にあたります。塩分10gに対しては1.2gですね。

高血圧患者は塩分の1日目標が7gともいいますし、美味しくもないただ飲むだけの薬で1.2gとか痛いですよね。




ということで、冒頭の質問には「単位が違うだけで同じものを指しています」と説明し、できれば「塩分なら一日10g、ナトリウムなら一日3,930mg」と紙に書いて渡すといいと思います。

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また、カリウムはナトリウムの再吸収を抑制、排出を促進します。「◯◯を食べるな」という減塩ばかりではなく、「◯◯を食べよう」というカリウムの摂取を勧めましょう。カリウムは生野菜や果物に多く含まれていて、一日目標量は3,500mgです。

あと、「食の洋食化」も個人的にオススメです。和食は高塩分から逃れられない運命にあるので、洋食に傾倒するとわりと無理なく減塩に成功したり。脂質は増えるかもしれませんが、脂質は摂取量を増やしても死亡率は変わらないorむしろ下がるというエビデンスもあることですし。

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しかし…高塩分を隠す意図があるのか知りませんが、”ナトリウム”で記載するのはどうなんでしょうね?塩以外も含めて全Na量を表示するのが確かに正しいんですが、化学の素養がない一般人がこんなのわかるわけないし。

あと、糖質と炭水化物の表示もそうですね。炭水化物は糖質か食物繊維のどちらかなのでたいてい糖質のことなんですが、「え、こんなに砂糖が入っているの!?」と思われないようにか”炭水化物”で表示しているジュースをよく見ます。

もっと酷いのがショ糖0gの記載。実際には果糖がたっぷり入っていたり。


イメージに惑わされずに、事実を押さえましょう。


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