インタール細粒、一般名はクロモグリク酸ナトリウム。効能・効果は「食物アレルギーに基づくアトピー性皮膚炎」。
内服薬ながら消化管でほとんど吸収されず、腸管内で効果を発揮する。以下、添付文書より抜粋。
消化管におけるマスト細胞の脱顆粒を抑制することにより、腸管内透過性亢進を抑制し、結果として二次的に起こる多量の抗原の血行への流入・免疫複合体の形成を阻止し、消化管のみならず、皮膚・呼吸器のアレルギー反応を抑制する。
用法・用量欄に小児用量しか記載がないことからもわかる通り、インタール細粒は小児用薬であり、成人には用いられません。
インタール細粒10% 添付文書
http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/780069_4490001C1056_4_03.pdf
成人への投与データをDIに問い合わせたところ、以下の通り。
食物関与のアトピー性皮膚炎、成人4例
1日800mgを分4で投与
これを4週間続けたところ、改善が1、やや改善が1、不変が1、悪化が1。
難治性の穀物アレルギーによるアトピー性皮膚炎、成人35例
1日400mgを分4で投与
これを8.6ヶ月続けたところ、有効率は34.3%。
データ数が少ないとはいえ、効いているのか効いていないのか微妙なラインですね。有効率がもっと高ければ成人にも適応が通るものと思われますが、これでは難しそうです。
成人のアトピー性皮膚炎の原因のほとんどは、実はダニ。対して、食物アレルギーが原因のアトピー性皮膚炎はほとんどないらしく、よってインタール細粒は成人適応なし、とのこと。
アース製薬 (2011-11-04)
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なお、インタール細粒の用法は必ず食前です。食直前でもダメで、食事の30分前が最適。食後に服用しても既に抗原が吸収された後なのでまったく無効。もし食後で処方がきたら必ず疑義照会しましょう。
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