2014年6月2日月曜日

経口ステロイドの長期投与による骨粗しょう症リスクとその予防としてのビスホスホネート製剤の併用について


経口ステロイドを長期にわたって服用する場合、骨粗しょう症のリスクがあります。その予防としてビスホスホネート製剤を併用するわけですが、
長期ってどれくらい?
少量のステロイドでも起こるのか?
予防にはビスホスホネートしかないのか?
いろいろ気になったので、ちょっと調べてまとめました。


結論から書いてしまうと、海外のメタ解析を基にしたガイドラインがあるようですね。以下参照。(クリックで拡大)
日本骨代謝学会より転載

つまり、健常人でも

・ 経口ステロイドを3ヶ月以上使用中or使用予定で
・ プレドニゾロン換算5mg/日以上

であれば、治療対象となります。

もし骨密度80%未満であればプレドニゾロンの用量に限らず治療対象ですし、逆にプレドニゾロンの用量が10mg/日以上であれば骨密度のカットオフ値が90%に上がります。

ちなみに、同じく経口ステロイドのリンデロン錠(成分名:ベタメタゾン)であればプレドニゾロン換算にして10倍と考え、0.5mg/日以上です。


治療の第一選択薬はビスホスホネート、第二選択がV.D3やV.K2


これは、国内および海外のRCTによる臨床試験において、ビスホスホネート製剤がステロイド性骨粗しょう症による骨折を有意に抑制するというエビデンスが存在することから。やや劣るビタミンD3やビタミンK2は第二選択薬。


「そんな、ちょっとステロイド飲むだけで骨が脆くなるもんなの?」


これはよく聞かれますが

・ 一度下がった骨密度を再び上げるのは困難であること
・ 骨密度低下はすぐに起こるわけではないこと

これら二点を鑑みて、やはり該当者にはビスホスホネートを投与するのが望ましいようです。「転ばぬ先の杖ですよ」と服用遵守を促しましょう。転んでからでは遅いですよ、と。


骨強度は骨密度だけでは決まらない?


「骨密度で補正してもステロイド使用経験者は非使用者に比べ骨折リスクが1.6〜2.3倍高い」と報告されたメタ解析もあるようで、ステロイド性骨粗しょう症においては骨密度が必ずしも骨強度を反映するわけではないことを示していますね。

ステロイドは骨密度を低下させると同時に骨質に大きなダメージを与えると考えられ、その結果ステロイド投与例では原発性骨粗しょう症に比し、同一骨密度でも骨折リスクがより増大する。機序など、詳細は未だ明らかになっておりません。

参考資料:THE BONE Vol.19 No.5



ガイドラインではこう定められているものの、ビスホスホネート製剤の添付文書の用法欄には「骨粗しょう症」と書いてあるだけで「骨粗しょう症の予防」とは書いていません。

ベネット錠17.5mg 添付文書pdf

つまり予防に使うのであれば厳密には保険適用外になるわけですが、そこはまぁゴニョゴニョ…いずれ追いつくでしょう。



関連記事:ビスホスホネート系薬の世代別比較

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