いきなりアレなタイトルですが、もちろん私が言っているのではありません。法律がそう言っています。
基本的に国はジェネリック医薬品(以下、後発医薬品と記載)を推奨していますが、その反面、普及を阻害する例外規定を設けています。
それは、生活保護受給者を除外していることです。
これはどういうことか?簡単に解説します。
後発品普及にあたって、最も重要な役割を担うのはもちろん薬局。なので薬局は、後発医薬品を使うインセンティブを与えられています。
後発品変更率の管理方法として、以前は”枚数ベース”を採用していました。つまり、1枚の処方箋にひとつでも後発品があればOK。何枚中何枚が(ひとつでも)変更されたか?が問われました。
現在は”数量ベース”。つまり、錠剤なら何錠、水剤なら何mLというように、処方されたすべての医薬品の数量のうちどれだけの数量が後発品か?が問われます。(平成23年12月現在の法律によります)
この変更率が高ければ高いほど調剤報酬が優遇されます。”数量ベース”が指標として適正かどうかはさておき、薬局にインセンティブを与えることで後発品の普及を促すという流れは理解できます。
しかし、生活保護受給者は後発品変更率の計算からは完全に除外されています。当該患者に処方された医薬品の数量は、計算の分子にも分母にも含まれません。
これでは薬局にとって生活保護受給者に後発医薬品をすすめるインセンティブはありません。生活保護受給者にしても、あえて後発医薬品を希望する理由もないので必然的に「生活保護患者=先発医薬品」という図式が成り立ちます。
なぜこんな例外規定を設けているのか、まったく意味がわかりません。個人的な推測ですが、いくつか挙げてみます。
1.医療費抑制に効果がないから?
後発医薬品を普及させる理由は医療費の抑制ですが、生活保護費と医療費は別会計なので知ったこっちゃない、とか?
→国民医療費に生活保護受給者への医療扶助は含まれているようです
2.製薬メーカーの希望
先発医薬品のメーカーにとって、後発品への変更は極力少なくしたい。そこで、窓口負担がゼロのため後発医薬品のメリットが感じられない層、つまり生活保護患者の除外を求めたとか?
3.「貧乏人はゾロ品を使えってか!?」という批判を避けるため
→強制ではない以上、そうした批判は的外れのはず
2番が有力候補でしょうか?あえて除外するあたり、何らかの意図があるはずですし、意図がある以上それによって利益を得る層が絡んでいるはずです。
また、生活保護受給者の一部は、もらった薬を闇市場で転売しているのは有名な話です。そうした人からすれば後発医薬品への変更は仕入の障害となりますが、率にするとごくごく少数でしょうし、さすがに関係ないでしょうか。
なんにせよ、不自然な除外項目は除外してほしいものです。