医療業界ではときとして「え、そのネーミングどうなの?」という用語と遭遇することがあります。気にしない人はまったく気にしないでしょうし、私も↑ほどには気にしません。
いくつか挙げてみます。
集英社 (2013-10-18)
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登録販売者
登録された販売者。これだけでは何を販売するのか皆目わかりません。
OTC(市販薬)の販売にかかる規制緩和で一時期話題を呼んだので知っている人が多いですが、そうでなければ一般名称にするにはちと言葉足らずですよね。
「医薬品登録販売者」あるいは「医薬品販売者」、「医薬品販売士」とかの方がよかったんじゃない?
登録販売者 Wikipedia
添付文書
添えて付けてる文書。上と同じく、これだけでは何かわかりませんよね。
驚くべきことにこれも一般名称化されています。”添付文書”と言えば”医薬品の”と枕詞をつけずとも、「医薬品の箱に同梱されている、使用上の注意や用法用量その他重要事項を記載した説明文書」を指します。
かつて使われていた”能書”の方がマシかも?
添付文書 Wikipedia
保険適応、適応症
”適用”と”適応”の本来の意味を考えると、当然ながら”保険適応”ではなく”保険適用”なんですが…
じほう
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業界ではこのように、あちこちで”適応”を見かけます。厚労省発表の資料にも”保険適応”と”保険適用”の記載が混在していたりで。
関連記事:保険適用と保険適応、どっちが正しい?
経過措置
経て過ぎる際の措置。
これも同じく、これだけでは意味を成しません。しかし医療業界では「名称変更などがあった旧商品が使える期間」のような意味が行間に。
でも本来の意味はもう少し広くて↓
経過措置 weblio辞書
というか名称変更するならメーカーが旧商品をすべて回収して取り替えるべきだと思います。「名称変更で旧商品はいついつ以降使えなくなるから新しいのを買えよ」とか横暴。
逆剤、逆材?
どこかで見かけた謎の用語。おそらく逆ざやのことでしょうか…。
利ざやが逆だから逆ざやです。言葉の持つ意味を理解して覚えましょう。
栗又 正博 日本語検定委員会
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