2016年1月21日木曜日

リーバクト配合顆粒は後発医薬品に変更できるのか?


分岐鎖アミノ酸、いわゆるBCAA製剤であるリーバクト配合顆粒。1包が220.4円で意外と高くてビックリなこの薬ですが、後発医薬品(ジェネリック医薬品)への変更は可能なのでしょうか?

製品としては日医工のアミノバクト配合顆粒や、沢井製薬のリックル配合顆粒、日本製薬のブラニュート配合顆粒などがあります。薬価にして約半分!

当然ながら変更可能と思いきや、ちょっと気になる点があります。同じところでつまづいている人が多いようなので、まとめておきます。


関連記事:後発医薬品への変更調剤が可能かどうか確実に確認する方法


成分量は同じだが、総量が違う


リーバクト配合顆粒は1包あたり4.15gですが、対する後発医薬品は、アミノバクト配合顆粒とリックル配合顆粒が4.74g、ブラニュート配合顆粒が4.73gです。


以下、リーバクト配合顆粒の添付文書より抜粋。

リーバクト配合顆粒は1包(4.15g)中下記の成分を含有する。
L-イソロイシン  952mg
L-ロイシン   1904mg
L-バリン     1144mg

続いて、アミノバクト配合顆粒の添付文書より抜粋。

有効成分 分量
L-イソロイシン 952mg
L-ロイシン 1904mg
L-バリン 1144mg

他同様。成分の含有量だけを見れば、確かにリーバクト配合顆粒の後発医薬品と言えそうですが、総量が違うのをどう考えればいいんでしょう?


リーバクトは過去に製剤変更していた


どうやらリーバクトは賦形剤などの工夫により、全量を4.74g→4.15gに軽量化したようです。2003年3月のこと。それに対して未だについてきていない後発医薬品たちという構図。

バリン・ロイシン・イソロイシンが合計4000mgなので、その他賦形剤が0.74g→0.15gということで、かなりの軽量化ですね。技術的に難しいんでしょうか?それともこれで問題ないから追随していないんでしょうか?


変更可能かどうか各メーカーに聞いた結果


例えばブラニュート配合顆粒の日本製薬のDIに電話で確認してみたところ、「変更は可能」とのこと。

そうはいっても変更してほしいからそう言ってるだけじゃないのと思い、本家であるリーバクト配合顆粒の味の素にも電話して確認すると、「変更可能です」マジ?


薬価基準収載医薬品コードで確認


後発医薬品への変更調剤が可能かどうか確実に確認する方法を参照してください。該当部分がこちら↓


コードを見る限り同等とみなしてよく、変更可能であるということになりますね…。


レセコンで代替入力をしてみると後発医薬品の選択肢が出てこない!と思いきや、「剤形違い」機能を使うと出てきました。

例えば【般】ファモチジン錠20mgを入力し、代替機能を使うとガスター錠20mgやファモチジン錠20mg「なんたら」が出てくるわけですが、さらに「剤形違い」ボタンを押すとガスターD錠20mgやファモチジンOD錠20mg「なんたら」が出てきますし、ファモチジンOD錠10mg「なんたら」を2錠なんてことも可能です。(レセコンによって操作や仕様が違うかと思います。)

力価が同じであれば錠数が変わるのは認められていますよね。つまりはそういうことですか。


結論

リーバクト配合顆粒を後発医薬品に変更することは可能。


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蛇足ですが、リーバクトの名称の由来は、Liver Activatingです。


関連記事:後発医薬品調剤率の向上を目指すなら、現実的に可能かどうか調べてから