2013年11月27日水曜日

軟膏/クリーム/ローションの製剤学的分類と該当する製品例

何年か前にケラチナミンが「今まで黙っていたけど実は私、クリームだったの」とばかりに名称変更(ケラチナミンコーワ軟膏→ケラチナミンコーワクリーム)して一部関係者を驚かせましたが、「何を今更」「これでジェネリックに変更ができる」と思った薬剤師の方が多いと信じたいですね、みやびです。

さて今日は軟膏とクリームとローションの境界線について。学生時代に製剤学で習ったはずですが、いまひとつ現場の薬たちの製剤学的特性に結びつけることができていない薬剤師の方、一緒に勉強していきましょう。


まず、親油性(疎水性)の高いものから順に並べると
1:油脂性基剤の軟膏
2:油中水型w/oクリーム
3:水中油型o/wクリーム
4:水中油型o/wローション
5:その他ローション 
こうですね。

油脂性基剤のものは間違いなく軟膏を名乗りますが、クリームとローションは複数タイプあります。

もし5製剤すべて発売されていればなんとか呼び分けるところですが、実際には一部のみの発売のため、どこに当てはまるかで軟膏ークリームーローションと3分類してその通り名乗っているのが現状です。


例えばヒルドイド。
1:油脂性基剤の軟膏
2:油中水型w/oクリーム → ヒルドイドソフト軟膏
3:水中油型o/wクリーム → ヒルドイドクリーム
4:水中油型o/wローション → ヒルドイドローション
5:その他ローション 
対する後発医薬品(ジェネリック医薬品)であるビーソフテンは、
1:油脂性基剤の軟膏
2:油中水型w/oクリーム → ビーソフテン油性クリーム
3:水中油型o/wクリーム → ビーソフテンクリーム
4:水中油型o/wローション
5:溶液性ローション → ビーソフテンローション
ヒルドイドソフト軟膏/クリーム/ローション 添付文書
http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/730155_3339950M1137_1_02.pdf

4と5で製剤学的特性は違えど、同じローションを名乗っているので変更可能です。ビーソフテンが化粧水、ヒルドイドが乳液と思ってOKかと。

関連記事:ビーソフテン外用スプレーにビーソフテンローションを詰め替え可能


続いてネリゾナ。
1:油脂性基剤の軟膏 → ネリゾナ軟膏
2:油中水型w/oクリーム → ネリゾナユニバーサルクリーム
3:水中油型o/wクリーム → ネリゾナクリーム
4:水中油型o/wローション
5:懸濁性ローション → ネリゾナソリューション 
ネリゾナ軟膏/クリーム/ユニバーサルクリーム 添付文書
http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/630004_2646700M1163_2_03.pdf

ユニバーサルの意味はよくわかりませんが、「軟膏とクリームの間」という認識でよさそうです。なお、分散質・分散媒が共に液体である分散系溶液をエマルジョンと呼びます。


続いてトプシム。
1:油脂性基剤の軟膏 → トプシム軟膏
2:油中水型w/oクリーム
3:水中油型o/wクリーム → トプシムEクリーム
4:水中油型o/wローション → トプシムローション
5:その他ローション
トプシムクリーム/軟膏 添付文書
http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/400315_2646708M1216_1_03.pdf

一般的なクリームと肩を並べるのはトプシムEクリームで、トプシムクリームはちょっと特殊な製剤。w/oやo/wなどの分類はできないらしく、皮膚から水分を奪うため乾燥させたいジュクジュクした部位での使用に向いているとか。とはいえ軟膏ではないのでクリームで間違いないようです。ややこしいな…

maruho ぬり薬の蘊蓄vol.1
http://www.maruho.co.jp/medical/academic/infostore/vol01/02.html


このように、複数タイプあるものを現行販売製品のみに限定して3分類(ないし4分類)して呼び分けているのが現状です。というわけで、あまり深く考えずにいきましょう(^^;

そういえば昔、今のヒルドイドソフト軟膏のことを”ヒルドイドソフト”、ヒルドイドクリームのことを単に”ヒルドイド”と呼んでいましたね。時代は着実に進歩しています。

関連記事:軟膏なのかクリームなのか、それが問題だ

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