2013年6月5日水曜日

後発医薬品の適用は先発医薬品と合わせろ

後発医薬品は医学的には先発医薬品と同等ですが、実は法律的には同等ではありません。というのも、適用に差異があることが多々あります。

このせいで両者をまったく同等には扱えず、後発医薬品の運用が不便になり、ひいては後発医薬品の普及の妨げになっています。

どういうことか簡単に説明します。


例えばアレロック錠。一般名はオロパタジン塩酸塩錠。
先発医薬品と後発医薬品を比較してみます。

アレロック錠 添付文書
http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/230124_4490025F1023_1_20.pdf

オロパタジン塩酸塩錠「サワイ」 添付文書
http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/300119_4490025F1198_1_01.pdf

前者には小児への適用がありますが、後者にはありません。医学的にはどちらを用いても同じですが、後者を用いる場合レセプト請求上問題があります。つまり実際には使えないことになります。


あるいはプログラフカプセルの後発医薬品、ファイザーより発売で書いた通り、適用病名に差異があるケースも。



何故こんなことになっているのかというと、薬価収載後に追加で適用を取得した場合、特許期間の延長があるようです。かくして先発医薬品と後発医薬品の互換性は完全には実現せず、全国の薬局で混乱の種になっています。

もちろん画期的な新規適用が増えるのならまだわかりますが、何でもいいならネキシウムカプセルみたいに”NSAIDs投与時における胃潰瘍十二指腸潰瘍の再発抑制”なんて適用が増えますよね。

関連記事:ネキシウムカプセルはインチキ薬?

湿布なんていくらでも増やせそうだし、あえて最初の適用は少なくしておいて後だしするという手もある。そういえばパキシルCR錠の適用はなぜか鬱だけしか取得していませんでしたね。

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小児への適用の有無なんかはわかりやすいのでまだマシですが、問題は適用病名なんか薬局でわかるわけがないということ。わざわざ病院に問い合わせるなんて非現実的ですし、患者に聞くのも不確実。

クラウド医療システムを構築して全情報を参照できるようになれば可能ですが、ひとまず当面はもっと簡単に、先発医薬品と後発医薬品の適用を自動で合わせればいいんじゃないですかね。


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