後発医薬品メーカー大手、東和薬品。業界では有名な話ですがこのメーカー、他のメーカーとはちょっと違います。
どう違うのか、例によって3STEPで。
1.直接取引
東和薬品といえばコレ。自社の流通網のみを使い、メディセオやアルフレッサなどの卸は一切通しません。ゆえに○○錠100mg「トーワ」という処方せんがきたら、卸に電話しても無駄。東和薬品に直接発注せねばなりません。
これによるメーカー側のメリットは、卸に販売を依存しなくて済むことと、直接取引で利幅が厚くとれること。対するデメリットは、支店や配送人員確保によるコスト増。
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2.名称変更品の返品受付
例えば最近だと
エチカーム錠0.5mg → エチゾラム錠0.5mg「トーワ」がありましたね。
モノは同じなんですが、名称変更により旧製品は使えなくなります。ここでたいていのメーカーは
メーカー都合で名称変更して(経過措置期間があるとはいえ)以降使えませんとやるなら、新製品に買い替えるのを条件に1錠からでも返品を受け付けるべきですよね。製造原価なんて知れてるんだし。
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3.他メーカーよりやや高い薬価設定(だった)
これは過去形になってしまいますが、東和薬品の後発医薬品は比較的高い薬価設定であることが多かったです。
2014年3月以前の薬価で見ると、
アムロジン錠5mg:57.5円
アムロジピン錠5mg「トーワ」:42円
アムロジピン錠5mg「日医工」:34.8円
アムロジピン錠5mg「YD」:28円
ガスター錠20mg:49.3円こんな感じになるのが多かったですね。
ファモスタジン錠20mg:27.1円 ←「トーワ」
ファモチジン錠20mg「サワイ」:15.8円
ファモチジン錠20mg「日医工」:13.5円
しかし、昨今新しく発売される後発医薬品の薬価はすべて横並びになっていますし、既発の後発医薬品の価格帯は、低薬価品(30%未満)、準低薬価品(30〜50%)、その他の後発品(50%以上)の3つに集約されます。
沢井製薬 平成26年度診療報酬改定 <医療機関(薬剤関連)>
そもそもメーカーが値決めをしているわけではない(はず)なので、東和薬品が「うちは自社流通だから値段高めで」とやっていたわけではありません。
が、薬価横並びで売上数量も同じとするなら、自社流通網を抱える東和薬品は他の後発医薬品メーカーと比べて不利じゃないのかな?経営的に。
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沢井、東和、日医工の財務諸表から拾える数字を比較してみようかな。面白そう。
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