内服薬のPTPシートは通常1枚10錠ですが、中には14錠もありますね。いわゆるウィークリーシートと呼ばれていて、その名の通り1週間を意識した包装。
このウィークリーシート、切れ目が(通常の10Tシートと同様に)横に入っているものもあれば、縦に入っているものもあります。横線の方がよさそうですが、はたして縦線はどうなんでしょう?
結論から書いてしまうと、
1日1回服用の薬ならアリ、1日2回服用の薬ならナシ
だと思います。例を挙げて解説します。
例えばディオバン錠。
ディオバン錠20mg/40mg/80mg/160mg 添付文書pdf
用法を確認すると、1日1回服用ですね。
つまり処方はこんな感じ。
Rp1) ディオバン錠40mg 1錠ウィークリーシートは1枚で14錠なので、1枚ですね。
分1朝食後 14日分
Rp1) ディオバン錠40mg 1錠この場合は2枚ですね。
分1朝食後 28日分
Rp1) ディオバン錠40mg 1錠ここで縦線の出番。2枚と半分ですね。
分1朝食後 35日分
Rp1) ディオバン錠40mg 1錠同じく4枚と半分ですね。
分1朝食後 63日分
このように14の倍数プラス7できたときに対応しやすいよう、縦線は存在しています。ただ、ディオバンの場合欲を言えば一番上の部分も手できれいにカットできたらよかったんですけども(^^;
さて、問題の1日2回服用の薬です。
例えばフェキソフェナジン塩酸塩錠60mg「トーワ」。
フェキソフェナジン塩酸塩錠30mg/60mg「トーワ」 添付文書pdf
用法を確認すると、1日2回服用ですね。
つまり処方はこんな感じ。
Rp1) フェキソフェナジン塩酸塩錠60mg「トーワ」 2錠ウィークリーシートは1枚で14錠なので、2枚ですね。
分1朝食後 14日分
Rp1) フェキソフェナジン塩酸塩錠60mg「トーワ」 2錠この場合は4枚ですね。
分1朝食後 28日分
Rp1) フェキソフェナジン塩酸塩錠60mg「トーワ」 2錠ここで縦線の…あれ?5枚ちょうどでいけますね。
分1朝食後 35日分
Rp1) フェキソフェナジン塩酸塩錠60mg「トーワ」 2錠やっぱり縦線の出番なし。9枚ですね。
分1朝食後 63日分
考えてみれば当たり前なんです。1日2回である限り1日量は2の倍数。偶数×偶数=偶数かつ偶数×奇数=偶数ですから、何日分で処方しようが奇数になるはずもなく、必然的に縦線の出番は永遠にきません。(3錠分3毎食後というレア処方のときくらいでしょうか。)
ゆえに1日2回の内服薬ではウィークリーシートに縦線は不要、必要なのは横線です。日数が7の倍数ではないときハサミ要らずで調剤可能になりますし、患者さんの手に渡った後も2錠飲めばちぎって捨てれて便利。
こんな感じに。
東和薬品のフェキソフェナジンに限らず、オロパタジンにも縦線ウィークリーシートの商品が多数あり、非常に迷惑しています。同OD錠に至ってはすべて縦線です。改善求む。
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