消費税逆ざや問題に薬価上げは効果なしの続き。
鋭い方は既にお気付きかもしれません。
前回計算の途中で、税込みのはずの薬価にさらに消費税がかかっています。((1+y)が二乗になっていますよね。)
実はそもそもこれがおかしい。
なぜ税込みであるはずの薬価に、さらに税率をかけるのか。
流通段階では薬価 x で計算し、最終消費者つまり患者に渡るときに税込み薬価 (1+y)x で計算するのが正解のはず。
つまり計算すると以下の通り。
税抜き薬価をx、税率をyとします
値引率を13%とすると、仕入値は 0.87x
ここに消費税がかかります
税込み仕入値は 0.87x(1+y) ですね
そして、患者に渡るときの薬価は税込み薬価 (1+y)x です
こちらの方が大きいと期待して不等式をつくります
0.87x(1+y) < (1+y)x
0.87 < 1
よって真。
仕入値よりも、必ず売値が上回ることになります。
xとかyとかが苦手な人のために、もう一度数字でいきます。
話をわかりやすくするために値引率は20%、消費税率を10%とします。
税抜き薬価100の医薬品、税込み薬価は当然110。
この薬を20%引きで仕入れるので
100×0.2 = 80
消費税がかかるので
80×(1+0.1) = 88
この薬を患者に110で売るので、薬価差益は
(110-88) / 110 = 0.2 = 20% ←値引率と同じ
これが本来あるべき姿です。
薬局は卸に、卸は製薬会社に以下の通り要求すべし。
「仕入値の計算に用いる薬価は税抜き薬価であるべきなので、税込み薬価である公定薬価を(1+消費税率)で除した値段を用いること。その値段に仕切率をかけ、しかる後に消費税をかけるべし。」
現実的には値引きを要求することになりそうですが。
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