2012年7月9日月曜日

薬局でも保険証を確認しませんか?

うちの薬局では、保険証の確認を徹底しています。患者に「保険証を見せてください」と言うと、たまに「そんなこと薬局で言われたことない」「何で保険証が必要なの?」「病院でもう見せたけど?」と食ってかかってくる人がいます。

これについての薬局側の言い分はこうです。
1.よそはよそ、うちはうち
2.保険調剤なので保険証の提示は必要です
3.病院はよく入力間違いをする

(もちろんもう少しオブラートに包んだ言い方をします。)


まず1
そもそも保険証を確認しない薬局が大多数である現状が異常で、他の薬局が確認するかどうかと、うちの薬局で確認するかどうかには何の関係もない。
問題は「何故確認するのか?」の一点のはず。


次に2
これを理解していない人はさすがに少数かと思いますが、病院で保険を使うのと同様に、薬局でも保険を使っています。保険証がない場合は病院と同じく10割負担の自費調剤になります。


最後に3
あまり病院に行かない一般の人は意外に思うかもしれませんが、病院の事務品質はけっこうな低レベルであることが多いです(きちんと経営されている開業医の方はスイマセン)。
したがって保険番号の間違いなど日常茶飯事。そんな処方箋を信じて入力して番号が間違っていた場合、患者に連絡して正しい番号を聞きだすという、お互いに面倒なことになります。もし連絡が取れなければ薬局の丸損。正確には7~9割の損害。
それでも「病院が間違っていたから」と損害額を病院に請求できるならいいのですが、もちろんそんなことはできません。


以上により、薬局での保険証の確認は必須です。業界全体としてこの認識を持ち、患者に堂々と保険証の提示を求めるべきです。根気よくやれば「他の薬局で言われたことない」と提示を渋る人も減ることでしょう。

薬局薬剤師の方はよろしくお願いします。




余談ですが、無効になった保険で受診する患者はよくいます。行ったことのある病院・薬局に行き「保険証忘れた」と言えばだいたい通りますし。あるいは、高齢者で1割負担から3割負担になった途端保険証を持ってこなくなったりする人も珍しくありません。

共に、「まあ今までと同じだろう」とタカをくくっている薬局に思わぬダメージを与えます。中には連絡先を頑に教えない輩もいたり。

こうした返戻レセプトは不良債権として積み上がっていき、薬局の経営を圧迫し、ひいては医療費の増大につながります。健康保険をリアルタイムで参照できるようなシステムの構築を望みます。(これについては改めて書く予定です。)

・・・債権をサービサーに売却できたら面白そうだけども、さすがに小口すぎて無理かな?

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