いまひとつ乗り気になれない方、何でそこまで後発品を推進しないといけないのかという方のために、薬剤師が後発品を推進すべき理由を3つにまとめてみました。
1.薬局の利益率向上
薬局は後発品を調剤した量に応じてご褒美がもらえます。指標は”数量ベース”。例えば1ヶ月に錠剤を計10,000錠調剤した薬局で、そのうち後発品が3,000錠だったとすると、変更率は30%です。
この変更率に応じて以下の通り点数が算定できます。
調剤報酬点数表(平成24年4月1日施行)PDFファイル
最初の方にある、後発医薬品調剤体制加算というところですね。
2.患者負担の軽減
例えば先発品のガスターD錠20mg、1錠薬価は49.3円です。
対して後発品のファモチジンD錠20mg「日医工」、1錠薬価は13.5円。
先発品→後発品とするだけで薬剤費を7割カットすることができます。もちろん患者が窓口で支払う金額もそれに応じて減ります。
3.国の医療費膨張を抑える
軽減できるのは患者負担だけではありません。患者が窓口で支払う金額は総医療費の3割ないし1割。残り7割ないし9割は国民から集めた健康保険料を基に支払基金が支払っています。窓口負担がさほど変わらなくても総医療費で見るとその3倍以上の効果があるので、頑張って後発品普及に勤めましょう。
以上、後発品普及はまさに三方良し。唯一泣くのが先発品メーカーですが、個人的にはあまり問題ではないと思っています。というのも、医療業界は製薬会社が儲け過ぎ、力を持ち過ぎているため様々な歪みが生じています。詳しくは以下の書籍を参照。
マーシャ・エンジェル 栗原 千絵子 斉尾 武郎
篠原出版新社
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高すぎる薬価の言い訳はいつも研究開発費ですが、実は税金で行われた基礎研究が基になっています。つまり一部は国民の知財。なのにそこから生じる利益は製薬会社が独り占め。
そして研究開発費<マーケティング費。高すぎる薬価の言い訳には苦しすぎます。とっくにペイしたはずの薬の価格を下げずに、逆にあの手この手で特許防衛して高価格に据え置こうとするのが製薬会社。
参考記事:製薬会社の不当な儲け方
製薬会社の社会的責任は「安く作れるはずの薬を高く売り続けること」か「薬を多くの患者に届けること」か。前者を実行しているのが先発品メーカーで、後者を実行しているのが後発品メーカーです。
さて、貴方は患者に高価格の先発品をすすめますか?
それとも安価な後発品をすすめますか?