後発医薬品調剤率の計算方法といえば、今回の改訂で「”後発医薬品がない先発医薬品”を計算に含めないようにする」というのが話題の中心ですが、この「生活保護除外規定」はどうなったんでしょうか?継続してる?
時系列順に振り返ってみましょう。
平成22年度の改定で「生活保護除外」が始まっている
何故かきちんとしたソースが見つからないのですが、こことかここ(ページ最下部)とかにある日本薬剤師会のQ&Aによると、このときより「生活保護除外規定」が始まっているようです。
他にも、漢方薬やラコールなどの除外品目が設定された改定で、記憶している方も多いと思います。そういえば率の計算が枚数ベースではなく数量ベースになったのもこのときからでしたね。
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平成24年度の改定では「生活保護除外」の言及はなし
点数と条件が引き上げられ、さらなる後発医薬品普及を目指した改定ではありましたが、「生活保護はこれまで通り除外か?」という話は出なかったと記憶しています。
平成26年度(今回)の改定でも言及はなし
そして今回の改訂。やはり「生保は除外か?解除か?」という話は聞きません。話題にすらなっていないようです。
それよりも「生活保護受給者への後発医薬品調剤がいよいよ徹底されそうだ」という話がよく出てますね。
「言及がないなら継続でしょ」という解釈と、「除外と言ってないなら計算に含むのでは」という解釈があるようです。非常に重要なポイントなので関係各所に問い合わせてみました。以下その結果。
厚生労働省 → 「言及していないなら継続では?」
大阪府薬剤師会 → 「継続しています(キッパリ」
EMシステムズ → 「継続しています(キッパリ」
監督省庁のはずの厚労省が一番ハッキリしない回答でしたが、「言及していないなら継続」という理解でいいようです。
当時はこの「生活保護除外規定」を生活保護受給者には先発医薬品を使えで書いた通り先発医薬品メーカーの陰謀かと思ったものですが、「生活保護受給者には原則後発医薬品を調剤」が徹底されるのであれば、生活保護受給者を計算から除く理由がありません。むしろ計算に含めるべきです。
あるいは当時は先発医薬品メーカーの意向を汲んで「生保除外規定」を作ったものの、今では状況が変わったにも関わらず、規定だけが撤回されずに残ってしまっているのかも?つまり単に規定自体が忘れられている、というか放置されている状態なのかもしれませんね。
国は「生活保護にはジェネリック!」と謳うのであれば、後発医薬品調剤率の計算に生活保護を含めるようにして頂きたいものです。
ちなみに周囲の人(同僚、他社同業者、取引先など)に「生活保護除外規定」を知っているかどうか聞いてみたところ、わりと「ナニソレ?」という人は多かった印象。認知度低っ
なお、計算から除くのは生活保護に限りません。生活保護のような公費単独や、労災、自賠なども除かれます。つまり、計算に含めるのは「国保、社保、後期高齢のみ」です。これらと公費の併用は計算に含みます。
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