白色ワセリンの高品質バージョン(?)、丸石製薬のプロペト。
冬になるとヘラが折れそうになるほど固くなる白色ワセリンと違って、冬でもトルコアイスばりに軟らかいプロペト。私はわりと好きです。
しかし注意しないと逆ざや、つまり売れば売るほど損をする状態になります。一体どういうことでしょう?
プロペト 添付文書
http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/730119_7121703X1330_1_07.pdf
冒頭の写真の通り、プロペトには500g包装と100g包装があります。通常、大包装で買っても小包装で買っても、薬価に対して値引率をかけて仕入値としますので逆ざやにはなり得ません。
値引率を10%とすると
1.58円/g × 500g = 790円
790円 × 0.9 = 711円
711円で仕入れて790円で売り、79円(10%)の利益になるはずですね。
しかし100gチューブで買った場合
1.58円/g × 100g = 158円
158円 × 0.9 = 142.2円
とはなりません。仕入れ条件にもよりますが、私の勤務する店での仕入値は250円ほどでした。
自分の店だけなのかどうか知りたかったのでメーカーに問い合わせてみたところ、「小包装はわざと値上げしています」とのこと。つまり卸が独断で値上げしているわけではないようです。
「100gで調剤するときチューブで渡せば軟膏壷に詰めなくてラクチン♪」といきたいところですが、ひとつ出すたびに約100円の損失が発生します。1日に10個調剤し、1ヶ月に20日営業していればこれだけで2万円のロスになります。
対策はふたつ。
値引率を「全品目加重平均で何%」とし、逆ざや分を卸に転嫁する。
あるいは
「100gチューブの仕入値を500g瓶と合わせてほしい」と卸に要求する。
うん、結局は卸に押し付けるという点で同じでしたね。
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