2014年2月24日月曜日

出産などで高額の医療費を支払った後、一部を取り戻す方法


「払い過ぎたお金は、戻ってくるかも」なんてどこかの法務事務所みたいですが、れっきとした国の制度です。出産に限らず、医療機関で高額の支払いをした人は該当する可能性があります。

正式には高額療養費制度といいまして、簡単に言うと、医療機関の窓口で支払う医療費には上限が定められていて、それを超えた分については払わなくていい(後で取り戻せる)という制度。

いくら戻ってくるのか?申請方法は?順番にいきます。

なお、お金の出所は健康保険ですので、当然ながら健康保険適用分のみが該当します。正常分娩は健康保険適用外の自費診療ですし、病院での食事代や差額ベッド代も該当しませんので注意。

厚生労働省 高額療養費制度を利用される皆さまへ
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/juuyou/kougakuiryou/index.html


1.自分がどの区分に該当するか

70歳未満か以上か
高所得者か中所得者か低所得者か
以上二点をチェックしましょう。


大多数の人が該当する”70歳未満の一般所得区分”で試算します。
例えば窓口で300,000円支払ったとき。

3割負担なら総医療費は1,000,000円のはず(領収書で確認してみてください)。計算式の”医療費”というところに総医療費を入れて計算してみると、
80,100 + ( 1,000,000 - 267,000 ) × 0.01 = 87,430
これが1ヶ月に支払う医療費の上限です。
既に300,000円支払っているので
300,000 - 87,430 = 212,570円
これが取り戻せる(返ってくる)お金です。

関連記事:高額療養費制度とは


2.世帯合算


一人だけでももちろんいいんですが、同一世帯内での合算が可能かもしれません。該当するか調べてみる価値はあります。ここでいう”世帯”は住民票上の世帯とは無関係で、要は「同じ健康保険に加入している被保険者と被扶養者」ということ。

一ヶ月の合計額が21,000円以上の分のみ合算可能です。領収書一枚で21,000円以上でなくとも可という点に注意。正しくはレセプト1枚あたりの自己負担額が21,000円以上。

例えば30,000円の領収書があったとすると、これ単独では高額療養費制度の適用は不可能ですが、1の例に合算可能だとすると、こちらの30,000円はほぼ全額返ってきます。なぜなら既に上限に達しているから。

なお、70歳以上は21,000円以上などという制限はなく、がんがん合算できます。さすが老人、優遇されていますね(^^;


3.申請方法


そしていよいよ申請。申請窓口の確認。
国保なら市区町村の役所の、国保担当窓口。
社保(協会けんぽ)なら住所地の支部。
前者は窓口に必要書類を持参すれば担当者に教えてもらえると思います。後者は郵送での申請が可能です。申請書ダウンロードと記入例はこちらから。

記入例を参照して必要事項を記入し、該当する添付書類(おそらくほとんどの人は領収書のみ)を同封して支部宛に郵送でGo!です。(1で見た”低所得者”に該当する人は住民税の”非課税証明書”を添付する必要があります。)

関連記事:医療費を自費で支払った後返金してもらう方法


さらに高額療養費とは別に、年間に支払った医療費の合計額に応じて税控除が受けられます。要確定申告。

関連記事:確定申告で何ができるか?