今年の春に発売されたばかりのベピオゲルに、早くも配合剤が発売されました。その名もデュアック配合ゲル。ダラシンTゲル(一般名:リン酸クリンダマイシン)との配合剤です。
名前の由来は、Dual Actionの頭文字から。発売日は2015年の7月17日。Stiefel社のデザインした?医薬品でしたが、GSK社がこれを買収、ポーラファルマに販売委託というややこしい販売体制。
しかし、個人的には要らない子だと思っています。ポイントをまとめました。
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1.べピオを使えば抗生物質は不要では?
上記記事で書いた通りニキビ治療の大本命はベピオゲルであり、既にグローバルスタンダードです。効果もさることながら、耐性菌ができないこともベピオのメリットであるはず。そこに抗生物質を重ねる意味がわかりません。
角質剥離作用はベピオにしかありませんし、あとの2つは重複です。
メーカーのパンフより。なぜダラシン単独とデュアックの比較なのか。ダラシンを追加すべきかどうかなんだから、どう考えてもベピオとデュアックで比較すべきでしょ…。
2.ベピオは25℃以下保存、デュアックは2〜8℃保存
貯法がさらに厳しくなっています。
ベピオは25℃以下保存なので夏季以外は室温でもほぼ大丈夫なんですが、デュアックは2〜8℃という確実に冷蔵庫にて保存する必要があります。
「ダラシンの添加による安定性の違い」とのことですが、ここまで貯法が厳しくなるに足るメリットがあるのかどうか、よく検証したとは思えません。
ポーラ曰く、「30℃で一ヶ月くらいなら大丈夫」らしいのですが…詳しいデータを取り寄せ中。覚えてたらここに追記します。
3.包装が小さいのだけはGJ!
ベピオと比べるとこの通り。コンパクト!
ただでさえインスリンだのボルサポだのと手狭な冷蔵庫、ベピオでかいんですよね。その点デュアックの小ささには好感が持てます。
アドエアと比べてもこんな感じ。
薬価は以下の通り。
デュアック配合ゲル:157.4円/g
ベピオゲル2.5%:120.9円/g
ダラシンTゲル1%:42.3円/g
差額はわずかに5.8円/g
貯法が厳しくなる点も加えて、やっぱり要らない子じゃないですかね。
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