医薬分業の認知度もだいぶ高まり、もう今更そんなこと言う人なんて…と思っていましたが、まだいるんですね。こうした患者への対策と、調剤技術料の意義、あるべき姿について軽く書きます。
なお、ここで言う調剤技術料とは、調剤基本料や調剤料、時間外加算などなど、調剤報酬全般を指します。
1.対策
よくある間違いが、「調剤技術料を算定するに値する勉強を今までやってきたんです!」と初めてしまうこと。これだと「じゃあこれは知ってる?これは?知らないの?じゃあ調剤技術料は算定できないわね」とかアホなやり取りをすることになりかねませんし、そもそも薬剤師個人の勉強量と調剤技術料算定には何の関係もありません。
言うべきはひとつ、「厚生労働省が点数を定めているから」です。つまり法的根拠があるわけです。拒否するには法改正が必要ですね。
日本薬剤師会 調剤報酬点数表
http://www.nichiyaku.or.jp/action/wp-content/uploads/2012/03/h24_point.pdf
「文句は厚労省まで。電話番号はこちらです。電話貸しましょうか?^^」とまで言えばたいてい黙ります。ずるいようですが、点数を算定している唯一の理由はこれなんですから。
これでもまだうるさく言うようなら調剤拒否の正当な理由になります。処方せんを返して他所に行ってもらいましょう。その人が望む出口は最初からないんですから、まともに相手するのも逆にその人のためになりません。言葉遣いにだけは気をつけて。
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2.調剤技術料の意義
教科書的な内容は他サイトに譲るとして、実態としてはサービス料です。つまり、仕入値で薬を渡しては薬局経営が成り立たないので手数料を乗せるわけですね。「調剤報酬取るな、薬価で売れ!」はコンビニに行って「このパン100円て書いてるけど仕入値70円だろ、70円で売れ」と言うのと同じ。コンビニ潰れますよね。
「薬価差益があるだろ?薬九層倍と聞くぞ」と言う人もいますが、薬局の利益構造で書いた通り薬価差益は全体利益の約2割です。調剤報酬を全廃すると薬局業界は8割の減益を強いられ業界ごとなくなります。そもそもここまで薬局が増えたのは調剤報酬あったればこそです。
「だいたい薬局って必要か?病院で薬を出せばいいじゃないか」と言われると、ここがキモですね。医薬分業のメリット・デメリットを天秤にかけ、ときの政権が分業すると選択した結果が今の調剤報酬です。いわば、医薬分業の必要経費なのです。
これをなくせば医薬分業は後退し医師の元に薬が戻ることになりますが、それによってどうなるか?もちろん昔に戻るでしょうけど、メリット・デメリット双方ありますよね。それはイチ薬剤師やイチ国民が今すぐどうこうできる問題ではありません。
3.あるべき姿
私が思うに、医療は国営化すべきだと思います。続きます。
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