2014年6月16日月曜日

SGLT2阻害薬について最低限知っておくべき3つのこと


まったく新しい作用機序の糖尿病治療薬、SGLT2阻害薬。

各社から次々と発売され、卸から「買ってください><」攻撃を受けて各製品一箱ずつ置いてある薬局もあることでしょう。うちがそうです。

そんなSGLT2阻害薬について、最低限知っておくべきポイントを3つにまとめました。


1.まったく新しい作用機序


なんと「尿中に糖を捨てる」という画期的(?)な作用機序。元々血糖値が高すぎて尿中にも糖が出てしまうから糖尿病と呼ばれているわけで、これをガンガン尿に出すことで血糖値を下げてしまおうという手法。

本来、グルコースは近位尿細管から99%再吸収されます。これは、糖が生命維持に必須な物質であり、短期的には高血糖よりも低血糖の方が危険だから。ゆえに通常は尿中に糖は出ないようになっています。

この再吸収過程で働くSGLT2を阻害することで、尿中への糖排出を促します。


実は100年以上前からこの経路は知られていたようですが、SGLT1も同時に阻害してしまうことで重篤な消化器障害の副作用があったため使えませんでした。SGLT2への選択性を高めることで医薬品として利用可能に。


2.どんな人に使うか


メタボな二型糖尿病患者”です。

糖を捨ててしまうので体重減少の可能性があり、痩せ形の糖尿病患者には使えません。また、一型糖尿病にも効果はありますが、一型だとインスリン注射で血糖コントロールするので不要ですね。

販売出だし好調とのニュースが流れていますが、そんなに処方対象患者いるかなぁ?


3.注意すべき副作用は


海外などでは尿路感染症が問題になっているようですが、入浴習慣があり清潔な日本ではあまり問題にならないという前評判。今のところ確かにそのようです。ただ、重篤な薬疹の報告が上がっているようですね。

今後の情報にも目が離せませんね。

”体重減少”するからと痩せ薬として飲む人が現れないよう祈ります。



薬価は以下の通り。

スーグラ錠25mg:136.5円
スーグラ錠50mg:205.5円
アプルウェイ錠20mg:205.5円
フォシーガ錠5mg:205.5円
フォシーガ錠10mg:308.3円
デベルザ錠20mg:205.5円
ルセフィ錠2.5mg:205.5円
ルセフィ錠5mg:308.3円


高い…使いにくいわエビデンスは薄いわ14日分しか処方できないわで、あえてコレを使う理由はないような(ーー;

DPP4阻害薬もどうなんでしょうね。メトホルミンが見直されている流れを応援したい。世間のイメージに反して、「古くて安い薬がいい薬」であることは多いんです。


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