2011年2月23日水曜日

不動産市場が今後も下がり続ける3つの理由

金融や不動産の勉強をすればするほど、今後の不動産市場はまだまだ下がるという確信が強まります。その理由は3つ。


1.居住用不動産需要の減少

よく知られているように、今後日本は人口が減り続けます。人口が減るとあらゆる需要が減ることになりますが、不動産も例外ではありません。

かつてあれだけ不動産相場が上がったのは(もちろん投機マネーがバブルを助長した側面はありますが)、確かな需要があったからです。子供は2人、3人が当たり前だった時代、長男は親から譲り受ける家がありますが、あとの1人、2人は自分で家を確保する必要があります。
これが空前の不動産好景気を生みました。

これからはまったく逆の動きがはじまります。
いえ、既に始まっています。


2.商業用不動産需要の減少

ITによる産業構造の変化により、そもそも不動産を必要としない業態が増えています。わかりやすい例は、amazonによる書店その他小売店の駆逐。また、IT化を進めればほとんどのオフィスは不要になります。
既に全国各地で空き物件が増えていますし、シャッター商店街という言葉は死語にすらなりつつあります。


3.相続発生による投げ売り

持ち家を所有している人が亡くなると、当然相続が発生します。相続人が1人で、かつその家がほしいなら問題ありませんが、家が要らない、あるいは相続人が複数いたらややこしくなります。当然、多くは売却というケースになるでしょう。

ちなみに不動産の価格は買ったときの値段(簿価)ではなく、収益還元法などによる時価で決まります(実需を除く)。つまり、「その物件がいくらの現金を生み出すか?」が重要です。

そうなると残念ながら、ほとんどの家は二束三文の評価になります。実需を狙おうにも、そもそも需要は皆無。結果、投げ売られることになります。

特に団塊世代が平均寿命を迎える、およそ15~20年後に大きなピークがあるでしょう。


どんな市場でもそうですが、需要<供給の状態では価格は必ず下がります。価格を上げるには需要を増やすか供給を絞るしかないわけですが、少子化対策も移民政策も、行われる気配すらありません。それどころか、大規模マンションが未だにがんがん供給されています。
この流れが変わらない限り、不動産市場の下落は間違いなく続くでしょう。



正確には「全体平均の下落」ですね。
一部の都市部やブランド力のある地域は逆に上がると思います。