以前、医薬品メーカーの裏の顔でも書きましたが、改めてまとめました。
1.包装単位
【グラクソスミスクラインのジルテックドライシロップ】
1包が0.4gの商品と、瓶入りバラ100gの商品を販売しています。
添付文書の用法欄を見てみると、1回に飲む量は
2~6歳で1回0.2g
7~14歳で1回0.4g
1包が0.2gの包装を発売してほしいところ。
【久光製薬のモーラスパップ30mg】
同様の例多数。
1袋が6枚入の商品と、1袋が7枚入の商品を販売しています。
その結果、6の倍数で処方されたり7の倍数で処方されたりします。薬局が勝手に枚数を変更できないので両方在庫せざるを得ません。
7枚入に統一して販売してほしいところ。
2.不要な複数規格
【第一三共のクラビット錠】
500mg錠と250mg錠を販売しています。
添付文書の用法欄を見てみると、1日1回500mg。
つまり500mg錠だけを販売すればよい。もちろん、まれに減量の場合もあるでしょうが、低頻度であれば半分に割って対応すればよい。割りやすいように錠剤の形状を工夫すべし。
【武田薬品のブロプレス錠】
2mg錠、4mg錠、8mg錠、12mg錠と4種類の規格を販売しています。
添付文書の用法欄を見てみると、通常4mgか8mg、最高用量は12mg、腎障害の人は2mg開始。
4mg錠だけ販売し、あとは半分に割ったり、1~3錠飲めばよい。
【大日本住友のアムロジン錠】
【ファイザーのノルバスク錠】
少し前に最高用量が10mgになり、10mg錠が新たに発売されました。
5mg錠を2コ服用でよかったのではないでしょうか。
3.配合剤
【MSDのプレミネント配合錠】
【ベーリンガーのミコンビ配合錠AP/BP】
【武田薬品のエカード配合錠LD/HD】
【ノバルティスファーマのコディオ配合錠MD/EX】
既発の血圧の薬に、利尿薬を混ぜて新薬として発売する。この手法がプレミネントを皮切りに一時期流行りました。どう考えても別々に飲めばよい話です。
【第一三共のレザルタス配合錠LD/HD】
【ベーリンガーのミカムロ配合錠】
【武田薬品のユニシア配合錠LD/HD】
【ノバルティスファーマのエックスフォージ配合錠】
【大日本住友製薬のアイミクス配合錠LD/HD】
ARBとCa拮抗薬。タイプの違う二種類の血圧の薬を混ぜて、新薬として発売。
上と同じく、別々に飲めばよい。
【ファイザーのカデュエット配合錠】
1番:アムロジピン2.5mg、アトルバスタチン5mg
2番:アムロジピン2.5mg、アトルバスタチン10mg
3番:アムロジピン5mg、アトルバスタチン5mg
4番:アムロジピン5mg、アトルバスタチン10mg
血圧の薬と高脂血症の薬を混ぜて、新薬として発売。これはひどい、ひどすぎる。高血圧と高脂血症を併発している患者にしか使えず、しかも4種類も在庫させるという凶悪さ。言うまでもなく別々に飲めばよい。
4.併売品
【大日本住友のアムロジン錠とファイザーのノルバスク】
【MSDのシングレア錠と杏林製薬のキプレス錠】
【MSDのジャヌビア錠と小野薬品のグラクティブ錠】
その他同様の例多数
上記の薬はすべて同成分です。なのに違う名前で違う会社から二品目発売。この二品目に互換性はなく、在庫の都合で勝手に変更できません。なので、実質違う商品として別々に在庫する必要があります。
ジェネリックには変更可なのに、先発品同士は変更不可とはこれいかに?変更可にするか、そもそも併売をやめるべきです。
増え続ける医療費を少しでも抑えるため、ジェネリック推進も結構。診療報酬や調剤報酬の見直しも必要でしょうし、生活保護の医療費完全無料を見直すのもアリでしょう。
しかし、製薬会社にこうした行為をやめさせることもかなりの効果があると思いますが、いかがでしょうか。
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