薬局薬剤師が消費税を意識することはほとんどないと思いますが、実は調剤薬局も消費税とは無縁ではありません。むしろ非常に重要ですので、薬剤師は消費税関連のニュースにアンテナを立てておきましょう。
場合によっては薬局の経営を大きく揺るがすことになるかもしれませんよ。。。
なぜ薬局にとって、消費税がそんなに重要か?
一言で言うと、薬価差益がなくなるからです。
管理薬剤師や在庫・仕入担当を経験したことがある人には周知の事実ですが、仕入れには消費税がかかっています。10,000円分の医薬品を仕入れた場合、消費税が500円追加されて、合計10,500の請求がきますよね。当然です。
ではその薬を患者に渡すとき、消費税はもらっているでしょうか?もらっていませんよね。実質的に薬局が最終消費者となり消費税を納めることになります。
何がまずいか?
例えばA薬局はB卸から商品を13%引きで仕入れているとします。
つまり10,000円の薬を8,700円で仕入れています。
しかし13%引きというのは実は嘘(?)で、ここに消費税がかかります。
8,700×5%=435
8,700+435=9,135
結果、薬価差益は13%ではなく、8.65%に落ちます。
さて、消費税が10%に上がったらどうなるでしょ?
8,700×10%=870
8,700+870=9,570
薬価差益はなんと4.3%に。
一般小売業もびっくりの薄利。
言っておきますけど薬九層倍なんて嘘ですからね。あれは製薬会社の話であって、薬を仕入れて小売している薬局の話じゃないですからね。
さてさて、もし消費税が15%になったら・・・?
8,700×15%=1,305
8,700+1,305=10,005 > 10,000円
はい、逆ざやきました。
売れば売るほど赤字です。
消費税の行く末に注目すべき理由がおわかりいただけたと思います。
ちなみに、仕入れに支払った消費税>売り上げで預かった消費税、である場合に消費税還付を受けることができる”仕入税額控除”は、非課税売上である調剤では適用不可です。
さすがに何らかの対策はすると思うのですが、どうなることやら。。。
続きはこちら→消費税逆ざや問題に薬価上げは効果なし