機能性ディスペプシアという聞き慣れない病態の治療薬が今月薬価収載されました。胃の痛みや胃もたれなどのさまざまな症状が慢性的に続いているにもかかわらず、内視鏡検査などを行っても、胃潰瘍・十二指腸潰瘍や胃がんなどのような異常がみつからない病気、らしいです。
アコファイド錠100mg 添付文書
http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/380077_2399015F1020_1_01.pdf
MSさん曰く、「ガスモチンのような薬」とのことです。
確かにガスモチンとの比較試験を行って有意差があったようで。一番右の”モサプリド”がガスモチンです。
てかシサプリド懐かしい。学生時代に「QT延長で発売中止」と習いました。副作用はあったけど効果は高い薬だったのかな。
作用機序としては、アセチルコリンエステラーゼを阻害して副交感神経終末から遊離されるアセチルコリンの分解を抑制→シナプス間隙におけるアセチルコリンの量を増加→消化管運動機能改善、というよくあるヤツです。
主な副作用は下痢(2.1%)と便秘(1.6%)、他は1%未満。
問題は”効能・効果に関連する使用上の注意”の2
上部消化管内視鏡検査等により,胃癌等の悪性疾患を含む器質的疾患を除外すること。
つまり、内視鏡検査を行わない限りこの薬は処方できない、ということに。実際そのようで、これは使いにくい…と不評らしい。不定愁訴とでも言える自覚症状に用いる薬なのに内視鏡検査とは…(^^;
薬価は36.2円/錠。
1日3回なので1日あたり108.6円。
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