2013年6月21日金曜日

アレグラの後発医薬品の後発組が発売、薬価は先発の6割

フェキソフェナジン

アレグラ錠の後発医薬品、満を持して(?)発売で書いた通り、フェキソフェナジン塩酸塩錠(先発医薬品名:アレグラ錠)の後発医薬品の後発組が本日発売されました。ラインナップは以下の通り。

フェキソフェナジン塩酸塩錠30mg/60mg「SANIK」
フェキソフェナジン塩酸塩錠30mg/60mg「東和」
フェキソフェナジン塩酸塩錠30mg/60mg「テバ」
フェキソフェナジン塩酸塩錠30mg/60mg「ケミファ」
フェキソフェナジン塩酸塩錠30mg/60mg「TCK」
フェキソフェナジン塩酸塩錠30mg/60mg「アメル」
フェキソフェナジン塩酸塩錠30mg/60mg「ファイザー」
フェキソフェナジン塩酸塩錠30mg/60mg「モチダ」
フェキソフェナジン塩酸塩錠30mg/60mg「杏林」
フェキソフェナジン塩酸塩錠30mg/60mg「明治」
フェキソフェナジン塩酸塩錠30mg/60mg「日新」
フェキソフェナジン塩酸塩錠30mg/60mg「ダイト」
フェキソフェナジン塩酸塩錠30mg/60mg「三和」
フェキソフェナジン塩酸塩錠30mg/60mg「YD」
フェキソフェナジン塩酸塩錠30mg/60mg「TOA」
フェキソフェナジン塩酸塩錠30mg/60mg「NP」
フェキソフェナジン塩酸塩錠30mg/60mg「ZE」
フェキソフェナジン塩酸塩錠30mg/60mg「KOG」
フェキソフェナジン塩酸塩錠30mg/60mg「FFP」
フェキソフェナジン塩酸塩錠30mg/60mg「DK」

「収載品目数が10品目を超えた内用薬の薬価は先発品の6割」ルールが適応され、薬価はアレグラ錠の6割のようです。(アレグラ錠60mgが75.6円に対し、後発品は各社とも45.4円。)

なお、先発組であった「EE」と「KN」の薬価は52.9円に据え置き。訴訟リスクと引き換えに4ヶ月早く発売できたのは有利でしたが、ここからは一転して不利に。


さて、どれを選択するかですが、明らかに目立った存在がひとつありますね。そう、日医工サノフィ株式会社の

フェキソフェナジン塩酸塩錠60mg「SANIK」


です。

日本初の「オーソライズドジェネリック」フェキソフェナジン塩酸塩錠「SANIK」についてのお知らせ
http://www.nichiiko.co.jp/finance/gif/4541_20130422_934534501412341.pdf

オーソライズドとは、「権威付けされた」「正当と認められた」という意味。要は先発医薬品メーカーが認めた後発医薬品らしい。まったく、ジェネリックだのエスタブリッシュだのオーソライズドだの忙しいですね。

メリットとしては訴訟リスクがなく、原薬はもちろん添加物や製法までまるっきり先発医薬品と同じで、効能・効果も先発医薬品に準じる点。さすが先発医薬品が販売を許可しているだけあります。多くの医療機関がこれを選択するかも?

関連記事:後発医薬品の適応は先発医薬品と合わせろ


とはいえ、個人的にはそんなの気にせず選択肢を広く持つべきだと思います。添加物や製法が違っても、BA試験を通過して薬価収載されている以上は生物学的に同等ですし、訴訟リスクも医療機関が負うわけではありません。

だいたい名前が気に入らない。なんだよSANIKって。サニーク?サニック?意味不明。Sanofi Aventis NIchiiKoなんだろうけど、他製品との名称の整合性を考えてほしかったな。気持ち悪いことこの上ない。(そしてサノフィアベンティス株式会社は昨年10月の社名変更で、既にサノフィ株式会社になっている。)

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「訴訟によって特許期間を少しでも延長できたら、弁護士への費用なんて安いもの。とりあえず片っ端から訴えとけ」というのは製薬企業ではよくある話らしく、それを地でいくサノフィには好印象が持てません。

なお、日医工とサノフィに資本関係はありません。日医工サノフィ株式会社は二社共同出資の合弁会社です。


関連記事:アレロックの後発医薬品を選択する際、これだけは避けろ