古くから使われている抗てんかん薬、デパケン錠。一般名はバルプロ酸ナトリウム。普通錠とR錠とありますが、どう違うんでしょうか?
デパケン錠 添付文書
http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/230124_1139004F1096_1_01.pdf
デパケンR錠 添付文書
http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/230124_1139004G1040_1_01.pdf
1.デパケン錠は吸湿性がある
空気にふれると即座に吸湿し始め、24時間以内に外観が変化、3日後には完全に潮解する。薬効に影響はないものの、溶け出した成分が分包紙などに付着して服用する量に変化がある可能性と、当然ながら患者が不安を抱くデメリットがあります。
このデメリットを解消したのが、糖衣錠のデパケンR錠。脱ヒート可能なので一包化の際は必ずこちらの製剤を使いましょう。デパケン錠で一包化の処方がきた際には必ず病院に照会を。
2.デパケンR錠は徐放性製剤
R=Retardの意味。徐放性製剤。
添付文書によると、デパケン錠の方は1日2〜3回の服用で、デパケンR錠の方は1日1〜2回の服用。半減期は前者が約8〜9時間、後者が約12時間。
この2点ですね。明らかにR錠の方が優れています。
というか、普通錠を販売継続すること自体が疑問視されるレベルですね。
メリットが何もない上、薬効に直接影響がないとはいえ吸湿という大きなデメリット。わざわざ乾燥剤を同封して調剤している薬局もあるようですし、糖衣錠にするだけで解決するならもうそれだけで販売すればいいのに。
普通錠は欠陥品で間違いない。
なお、薬価は以下の通り。
デパケン錠100mg:10円
デパケンR錠100mg:11.7円
デパケン錠200mg:15.2円
デパケンR錠200mg:19.2円
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