2013年12月4日水曜日

ヘパリン類似物質って何!?

ヒルドイド

保湿目的で皮膚科にてよく処方される、マルホのヒルドイド。成分は”ヘパリン類似物質”とのことですが、コレ何なんでしょ?

ヘパリンといえば抗凝固薬で血栓塞栓症などに用いられますが、どうにも関係なさそうです。ということでMRとDIに聞いてみました。

ヒルドイドソフト軟膏/クリーム/ローション 添付文書
http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/730155_3339950M1137_1_02.pdf


主成分である”ヘパリン類似物質”はD-グルクロン酸とN-アセチル-D-ガラクトサミンからなる二糖を反復単位とする多糖体を多硫酸化したもの。

親水基(硫酸基、カルボキシル基、水酸基)を多く含むのでそれが周囲の水を集めて保持することにより、保湿効果を発揮するようです。この点では、ヘパリン類似物質というよりは、コンドロイチンやヒアルロン酸をイメージした方が近いかもしれません。

そしてヘパリンと類似した作用もあるようで、塗布した部位の血液凝固を抑制し、血流を増加させる作用もあり。そのためか、出血性血液疾患の患者には禁忌とありますが、全身性の作用はほぼないようです。



本来の目的である保湿効果は親水基によるもの。ヘパリン類似物質という名前は単にヘパリンに似ているからであり、ヘパリンの作用そのものでもって保湿しているわけではない、という理解でいいかと思います。

”類似物質”なんて言うから何かなと思うわけで、洋名の”ヘパリノイド”にしといてくれればよかったのにと個人的には思います。


添付文書には載っていませんが、構造式はこんな感じ。

ヘパリン類似物質

記事掲載時点での薬価は以下の通り。

ヒルドイドソフト軟膏0.3%:26円/g
ヒルドイドクリーム0.3%:26円/g
ヒルドイドローション0.3%:26円/g
ヒルドイドゲル0.3%:14.5円/g

後発医薬品(ジェネリック医薬品)はこちら。

ビーソフテン油性クリーム0.3%:10.8円/g
ビーソフテンクリーム0.3%:10.8円/g
ビーソフテンローション0.3%:10.8円/g
ビーソフテン外用スプレー0.3%:20.2円/g

半値以下!素晴らしい。

スプレーがやたら高いですが、ビーソフテン外用スプレーにビーソフテンローションを詰め替え?で書いた通り、容器代です。


関連記事:ヒルドイドソフト軟膏の後発医薬品が来月発売予定