毎日行う業務ではなく、だいたい四半期に一回ないし半年に一回まとめて行うことが多い。棚卸前や薬価改正前なんかはラッシュです。(前者は数える手間を省くため、後者は実損を避けるためです。)
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この業務を行う際に、押さえておくべきポイントを7つにまとめました。順番にチェックしていきましょう。
1.少額の薬は無視
薬の価格はピンキリで、非常に安いものも少なくありません。例えばポララミン錠2mgの薬価は最低水準の5.6円。これが10錠不良在庫になっていたとしても、他店に送ってはいけません。10錠を金額に換算すると56円ですが、配送費は定型の封筒に入れて郵送しても80円はかかります。
100円切る程度の少額なら迷わず廃棄。それ以上でも”配送費”と”準備に要する時間と手間”を鑑みて、節約効果が明らかに薄いようなら同じく廃棄で。
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2.返品を試みる
未開封のものは一度卸に返品可能かどうか確認してみましょう。これができたらそれに越したことはないですよね。
3.期限切迫は×
例えば使用期限が来月とか再来月の薬。「引き取り可能ですか?」と先方に確認するのも失礼です。「ここまで放っておいた自分が悪い」と考え、自己の責任において廃棄しましょう。
仮に引き取ってくれる店舗があったとしても、その先には患者がいます。自分が患者ならそんな薬をこっそり渡されていたらどう思いますか?使用期限はできれば1年以上残しましょう。
4.連絡手段は電話ではなくメール
さて、残った品目を引き取れそうな店舗を探して連絡するわけですが、必ずメールを使いましょう。なぜか電話をかけてくる人がたまにいますが、
「あー○○薬局です、お疲れ様です。不良在庫の引き取りをお願いしたいんですけど、○○錠100mgなんですが、数量は〜、使用期限が〜、あ、OKですか?よかった〜…えーふたつめがですね…」
これは仕事できない人認定されても仕方ありません。引き取ってほしい品目の名称数量期限を列記してそれぞれに○×で答えよみたいな内容なら、連絡手段はメールが最適です。
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5.期限・lotがわかるように
引き取りOKをもらった薬を送る際、医薬品の外箱ごと送るとかさ高いし重いので薬の本体のみ送るのはよくある手法ですが、使用期限とlotがわかるようにしておくこと。
社内で定められた書式があるならそれを使ってもいいですが、外箱に記載されている期限・lot欄を切り取って添付がシンプルでオススメ。
6.梱包する
これも当然ですが、たまに軟膏チューブを裸で送る不届き者がいるようです。着荷する頃にはボコボコですよ。PTPシートなら穴が空いてますよ。もうブチ切れですよ。
川上産業株式会社
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ちゃんとこういうのを使いましょう。
7.合理的な配送方法で
配送方法によって、料金計算が重さだったり大きさだったりします。できるだけ低コストになるよう選びましょう。高額小サイズならレターパックを使うのもスマート。
もちろん冷所保存品目はクール便で。常温配送されていないことを祈りつつ…冷所保存品目は避けた方がいいかもしれませんね。
以上です。
余談ですが、大型店舗に勤務していると小型店舗からこんなオファーを受けることがあります。「○○が必要なんだけど、1000入りの大包装しかない。そちらで大量に使っているようなので少し分けて欲しい」
はたしてこれは合理的でしょうか?
続きは次回。
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