ニキビ治療の大本命、過酸化ベンゾイル(BPO)配合の医薬品がついに承認、発売となりました。正確には承認日が昨年2014年の12月26日、薬価収載日が2015年2月24日、発売日が2015年4月1日です。
ベピオゲル2.5% 添付文書pdf
期待された医薬品だけに、承認前後から既に話題になっていましたね。いよいよ発売です。ポイントをまとめました。
1.ニキビ治療のグローバルスタンダード
ご存知の方も多いと思いますが、既に欧米ではニキビ治療のスタンダードとなっています。抗菌作用と併せて角膜剥離(ピーリング)作用も。
アダパレン(商品名:ディフェリンゲル)もしくは過酸化ベンゾイルの単独ないし併用を基本とし、必要ならこれにオンする形。
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かの有名なプロアクティブにも配合されていることで有名ですが、残念ながら海外版のみ。日本版には過酸化ベンゾイルは含まれていませんでした。
なぜこんなに承認が遅れたのか?なんでも、発がん性の可能性が問題になっていたようで、ようやく安全性が確認されたみたいですね。
日本ではアクアチムなどの抗菌外用薬とディフェリンの併用が多いですが、抗生物質は当然ながら耐性菌を産みます。日本ではまだまだ耐性菌は少ないようですがそれも今だけ。最初から耐性菌が出現しない薬を使うに越したことはありませんよね。
もうひとつのスタンダード治療薬であるところのディフェリンゲルは2008年に発売されていますが、今思えばそれ以前のニキビ治療は貧弱だったんですね。OTCにもロクなのないし、セルフ治療は痕になるし、これからはますます「ニキビは皮フ科へ!」の時代ですね。
2.冷所保存(25℃以下)
安定性の都合で25℃以下で保存。夏は確実に冷蔵庫に入れないとダメですし、冬でも暖房がきいた部屋だと危ないので、やはり冷蔵庫が安全ですね。
ところで、ずいぶん地味なデザインだなぁと思った人は少なくないはず。これは冷蔵庫で保存する際に食品と間違わないように、との配慮らしいです。確かに鮮やかな色だと何かと間違えそうではありますね。
とはいえ、仮に間違えて取り出しても食べるわきゃないけども(^^;
3.副作用は?
副作用率8割のディフェリンゲルもありますし、ベピオゲルはどうか?以下、添付文書より抜粋。
承認時までの臨床試験において、本剤を投与した435例中190例(43.7%)に副作用が認められた。主な副作用は、皮膚剥脱(鱗屑)81例(18.6%)、適用部位刺激感61例(14.0%)、適用部位紅斑60例(13.8%)、適用部位乾燥32例(7.4%)であった。
4割強とはディフェリンゲルよりはだいぶマシですが、皮膚がポロポロと剥がれたり、ヒリヒリしたり、赤くなったり、という感じでディフェリンゲルと重複した副作用なので、併用するとほぼ確実に起こりそうではありますね(^^;
また、過酸化ベンゾイル自体に脱色作用があるので髪や衣服に付着しないよう注意。かつては小麦の漂白にも使われていたようですよ。
なお、薬価は120.9円/gなので一本15gだいたい1800円くらい。
以上です。
また、意外と盲点ですが
・ 洗顔は毎日すること
・ フェイスタオルや枕カバーを毎日洗うこと
・ 汚れた手で顔を触らないこと
ニキビに悩んでいて、この3点を守っていない人はまずはここから初めましょう。どんな疾患にも言えることですが、まずは生活習慣改善や自助努力があり、薬物治療はその先ですからね。
なお、レセコンにEMレセプティを使用している薬局は、例によって医薬品マスタの更新が間に合わないことが予想されるので…と思いきや、なんと今回はきちんとマスタありました、びっくり。ちょっとEM見直しました。
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