睫毛貧毛症(しょうもうひんもうしょう)、つまりまつ毛が貧しい人ですね。そんな病気アリかよという感じですが、これの治療薬であるグラッシュビスタ外用液剤0.03%5mLが2014年9月に発売されています。
グラッシュビスタ外用液剤0.03%5mL 添付文書pdf
「ホンマでっか!?TV」でも紹介されたようでご存知の方も多いと思いますが、これは緑内障治療薬であるルミガン点眼液(一般名:ビマトプロスト)の副作用を逆手にとった製品です。
ルミガン点眼液0.03% 添付文書pdf
共に0.03%と濃度も同じで、基本的には剤形というか容器だけの違いと思われます。
以下、副作用を抜粋。
承認時の臨床試験での総症例323例中259例(80.19%)に副作用が認められた。主な副作用は、睫毛の異常149例(46.13%)、結膜充血147例(45.51%)、眼瞼色素沈着62例(19.20%)、虹彩色素沈着40例(12.38%)、眼そう痒症30例(9.29%)、角膜びらん17例(5.26%)、眼瞼の多毛症17例(5.26%)、結膜浮腫16例(4.95%)、眼の異常感15例(4.64%)、結膜炎11例(3.41%)、眼瞼紅斑9例(2.79%)、眼瞼浮腫8例(2.48%)、くぼんだ眼7例(2.17%)、眼瞼そう痒症7例(2.17%)、眼刺激6例(1.86%)、眼瞼障害6例(1.86%)、結膜出血6例(1.86%)、点状角膜炎6例(1.86%)、霧視5例(1.55%)、眼脂4例(1.24%)(承認時)。
睫毛の異常が半数近くに見られたようで、要は伸びたんでしょうね(^^;
※あくまで代表例
気になる価格は?
自由診療に用いられる医薬品のため、公定薬価は存在しません。仕入れ値に左右されるので実質的にはメーカーに価格決定権があることになります。
で、いろいろあたってみたところ、だいたい1本5mLが2万円前後のようです。
ルミガン点眼液の薬価が959.7円/mLなので、仮にこれを5mLなら959.7×5=4,798.5円でだいたい5,000円弱。なかなか強気価格ですね。
ロトリガやアボルブのように、該当疾患を持っている人のみ保険を使って(合法的に?)安く手に入れることが可能です。もちろん転用はダメですし、医師に「あれがほしい」なんて言うのもダメですよ?
もちろん保険適用外
「まつ毛が貧しい」のは病気ではなく、美容の側面が大きいですよね。当然ながら保険は使えません。AGAの治療薬であるプロペシアや、EDの治療薬であるバイ◯グラと同じですね。
関連記事:プロペシアの後発医薬品、ファイザーより2015年4月6日に発売
ランコム(LANCOME)
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個人的にはこういうのでいいんじゃないかなと思います。
「まつ毛伸ばす前にその金で他のところ伸ばせよ!」という意見もありますが、そこはまぁ
「ヒマと金を持て余した」
「先進国住民の」
「遊び」
ということでひとつ。
ちと古いか?(テレビ見ないのでよく知らない
副作用の転用といえば、以下も有名ですよね。臨床試験で認められた副作用が今ではメインの用途となり、さらに別に適用症まで。
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