2012年4月29日日曜日

高額療養費制度現物給付化の適用範囲拡大

2012年の4月より、高額療養費制度の現物給付化の適用範囲が広がっています。
厚生労働省 高額な外来診療を受ける皆さまへ
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/kougaku_gairai/index.html

今までは入院患者に限り、窓口での支払いを自己負担限度額にとどめることができましたが、外来患者でもこれが可能になったとか。

患者にしてみればこれは便利なことです。後で返ってくるとはいえ、10万円を超えるような窓口負担は家計の資金繰りに影響するでしょう。最初から払わなくていいなら払わないに越したことはありません。

そこでふと気になったのは、例えば自己負担限度額80,000円の人が病院で50,000円、薬局で50,000円の窓口負担が発生した場合、支払いはどうなるのか?あるいは世帯合算はどうなるのか?これができるなら非常に便利!


結論から言ってしまうと、ダメみたいです。普通に病院・薬局それぞれで窓口負担をまるまる払い、普通に申請して返金してもらう必要があります。世帯合算の場合も同じく。

つまり、単発で大きい窓口負担が発生したときにのみ、現物給付化の対象になります。他の医療機関と合算したり、同一世帯内の人と合算したりして現物給付を受けることはできませんので、考慮する必要はありません。


となると、今回の現物給付化の範囲ってかなり狭いですね^^;複数の医療機関の合算と世帯合算ができれば(特に高齢者は)飛躍的に便利になりますが、それには医療のクラウド化、データベースの構築が必要。

IT音痴の中高年がシステムを作っている限りは夢のまた夢でしょうね。若い医療関係者は彼らがいなくなった後、来るであろう新時代に備えてスキルアップに励みましょう。

参考記事:高額療養費制度とは