2012年9月1日土曜日

アレロック顆粒が長期投与可能に

2012年10月1日より、アレロック顆粒の長期投与が可能になります。
添付文書はこちら

新薬は処方日数に制限があり、14日を超える処方はできません。発売後1年経ってから、晴れて15日以上の処方が可能になります。アレロック顆粒は新薬ではなく既存薬の新剤形でしたが、一応投与日数制限が適用されていたようですね。

さてこのアレロック顆粒、本来存在すべきではない薬です。
少々つっこみをば。

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アレロック顆粒のメリットは3つ挙げることができます。

1.顆粒なので小児の服用が容易
2.2歳から処方可能(普通錠、OD錠は7歳から)
3.同量を2.5mg錠で服用するより薬価が安い

しかし、これらはすべてウソです。


まず1
錠剤が飲めない小児は多いですが、アレロックの場合OD錠があるので問題はないはず。あえて顆粒にする必要を感じませんし、逆に飲ませにくい気がします。


次に2
普通錠とOD錠も適応を取ればいいだけの話。同成分なのに剤形の違いで服用可能な年齢が変わるはずがありません(医学的には)。あえて適応年齢をずらすことで無理やり存在意義を作り出していますね。


最後に3
それぞれの薬価は以下の通り。

2.5mg錠:47.3円/錠
5mg錠:60.2円/錠
顆粒:78.8円/g

小児は1回2.5mgを服用するので1回分薬価に直すと

2.5mg錠:47.3円
5mg錠:30.1円
顆粒:39.4円

確かに2.5mg錠を飲むより顆粒の方が安いけど、5mg錠を半分に割って服用するのが一番安いですね。そもそも値段設定がおかしいのですが。


【結論】
アレロック顆粒は存在意義なし。



さらにおかしなことに、添付文書には2.5mgの用法の記載がありません。なのに商品として2.5mg錠が存在するというヘンな薬です。

協和発酵キリンのDIに問い合わせてみると、「発売当時は5mg錠に割線がなかったので、適宜増減用に2.5mg錠を発売した」とのこと。「ただし適宜増減の記載があるのは成人のみなので、7歳以上の小児は常に5mg錠を服用」と付け加え。もうワケがわかりません。



ちなみにこのアレロック、2012年12月で特許が切れます。例によってものすごい数のメーカーからジェネリック医薬品が発売されるので、今から非常に楽しみにしています^^

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