2012年8月29日水曜日

薬局在庫管理者が知っておくべき発注の合理化

医薬品の発注方法は薬局によって様々。

A:発注カードを用いた管理方法
B:空箱発注(1箱開いたら1箱発注)
C:使用量を参考に月初一括発注

貴方が働く薬局ではどの方法ですか?

まずA。各品目ごとにカードを入れておき入出庫がある度に記録、記載してある発注点を下回ったらカードを発注カゴに入れておき、最後にまとめて発注しカードを棚に戻す、といった感じ。小規模零細薬局に向いた管理方法。

ざっくりした薬局だとB。人の入れ替わりが激しい薬局で、かつ一時的に使うならアリ。在庫回転率をかなり犠牲にします。

私のオススメはC。ただし面分業薬局は除く。極力手間をかけず、在庫回転率の向上も狙えます。

やり方を以下にまとめました。


1.メイン病院の採用医薬品を、使用量を参考に発注


直近1ヶ月の使用量を使うもよし、直近3ヶ月の使用量を3で割った数値を使うもよし。30日を超える処方が多いなら後者がオススメ。

発注は月に2回、月初分と月末分。月初に月間使用量と同量を在庫し、月末(20日〜25日くらい?)に足りなさそうな品目のみ追加発注する。

季節変動を考慮すること。


2.他病院から来る固定患者は予製を作成


こちらは使用量発注が通用しません。ある人は14日分、ある人は90日分で処方、これを1ヶ月平均で発注すると90日処方の患者は欠品するからです。無駄な在庫も増えます。

ゆえに固定患者に限り予製を作ります。管理方法はお任せしますが、処方箋コピーを予製袋に入れ、次回来局日を赤字で書いておき、その日が近づくと発注して必要量を袋に入れておく、という感じでしょう。


3.もしあれば自動発注を活用


在庫管理システムを導入していて、”発注点発注”が可能な薬局は併用すると完璧。想定以上のペースで在庫が減り、調剤する薬剤師が在庫を見ていなければ欠品の恐れがありますが、発注点を下回れば自動で発注がかかるようにしておけば安心。

というか、すべての品目に2〜3日分の使用量を発注点として設定しておけば全自動。一括発注すら不要になりますね。そして在庫回転率もよさげ。試したことはありませんが、大規模薬局にはいいかも?




デキる薬剤師や他業種の人が見れば「え、こんなの当たり前じゃん」と思うかもしれませんが、なかなかどうして、とんでもない発注方法を金科玉条のごとく守っている管理薬剤師の多いこと多いこと。年配の薬剤師に多いのですが、上司に恵まれなかった若い薬剤師も。

彼ら/彼女らは必要以上の手間をかけ無駄な仕事をたくさんしています。薬剤師は、学術的な勉強は熱心ながら、こうした仕事術を軽視する傾向にあります。基本真面目な人が多いからでしょうね。

しかし”手間を減らすこと”や”ラクをすること”は悪いことではありません。むしろ、ほぼ同じ成果が出せるならそれは良いことです。

仕事の価値=成果÷かけた労力


発注は典型的な左脳を使うルーチンワークです。
出せる成果を維持しつつ、どんどんラクしていきましょう。

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