増え続ける国民の医療費は止まるところを知りません。選挙が近付き、当然争点のひとつになる医療費問題、生活保護問題。中にはタイトルのように提唱する人もいるようですし、私の周りの業界人にも同じことを言う人は多いです。
しかし私の意見は少し違っていて
「生活保護受給者に限らず、みんなで後発医薬品を使おう」
です。
そもそも「ナマポはジェネリック使ってろ」という考え方自体「ジェネリックは二流品」という誤った考え方が根底にあります。
生活保護受給者に限らず、みんなで後発医薬品を使って医療費増大を抑制するために、有効な手段は二つあります。
1.後発医薬品を基本とし、希望すれば先発医薬品で調剤
ジャンルは違いますが、考え方は以下の記事と同じ。
吊られた男の投資ブログ
ブログオプトイン⇒オプトアウトによって投資へ誘導する
http://blog.livedoor.jp/tsurao/archives/1735168.html
簡単に言えば、「選んでほしい選択肢を基本とし、希望すればもう一方も選べる」方式です。これが実現すれば、後発医薬品が一気に普及するでしょう。
必要な政策は、まず一般名処方の義務化。その後に後発医薬品調剤義務化。そしてできれば後発医薬品メーカーの統廃合を進めてくれると薬局の在庫問題が軽減し、患者の混乱も減るかと思います。
2.先発品を希望するなら後発品との差額を自費で支払う
生物学的同等性(飲んだら同じ)試験をパスしている以上、どちらを飲むかは好みの問題です。「どうしてもブランド薬がいい」という個人的要望を、国民から集めた医療費で賄うべきか、自腹で払うべきか。私は後者だと思います。
なお、医療保険が民間企業によって提供されている米国では既にこんなのは珍しくもないとか。公の感覚でできる削減は知れてます。民から学ばねば。
ちなみにどちらも、今回の選挙では一切聞いたことがありません。せいぜい生活保護受給者の医療費完全無料撤廃→500円などの定額窓口負担金創設、くらいですかね。
無駄な受診、投薬の削減に多少なりとも効果はあるかもしれませんが、あくまで生活保護受給者の中での話。
生保にピンポイントなところも、愚民のガス抜きという印象。(生保不正受給者問題とは切り分けて考えましょう、別個の問題です。)
上記のような、肝心の絶対多数一般人に対する削減策が実行されない限り、まだまだ医療費は増え続けますね。
関連記事:薬剤師がジェネリック医薬品を推進すべき3つの理由
2013.1.11追記
2に近い政策が検討に入ったようですね。
生活保護受給者限定ですが。
SankeiBiz
政府、生活保護費抑制へ後発薬に誘導「先発薬使うなら差額自己負担」
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/130106/mca1301060937002-n1.htm