2013年3月25日月曜日

水虫患者にステロイド外用薬が処方?


たまに見かける以下のような処方。

Rp1) ラミシール錠125mg 1錠
分1夕食後 14日分

Rp2) ボアラ軟膏0.12% 10g
1日2回 足

「え、抗真菌薬の外用と間違えてるんじゃない?」

と思いました?

もちろんその可能性もありますが、おそらく実情は以下の通り。


水虫の治療は内用と外用のどちらか、あるいは併用されます。

併用の場合、最初から抗真菌薬の内用・外用と処方できればいいのですが、患部に接触皮膚炎やびらんなどが併存する場合はこれらに対する治療を先に行い、患部を抗真菌薬外用に適した状態にしてから抗真菌薬の塗布を始める。

なぜなら、抗真菌薬による刺激で病状を悪化させることになるから。ただし、内用薬に関しては最初から投与可能。

ゆえに冒頭のような処方になるわけですね。



うまくいけば、次回処方は例えばこんな感じでしょうか。

Rp1) ラミシール錠125mg 1錠
分1夕食後 14日分

Rp2) ゼフナートクリーム2% 20g
1日1回 足




「水虫に外用ステロイドなんて塗ったら、免疫が抑制されて水虫が酷くなるんじゃ?」

という意見もありそうですね。大丈夫、1〜2週間程度の外用では悪化することはまずないそうです。それよりもしっかり毎日1日2回忘れずに塗布し、次回受診までに抗真菌薬の外用が可能なように病変を治療しておくことが大事です。





余談ですが、よく言われる「確定診断がなければ抗真菌薬を使用してはならない」の理由は、「抗真菌薬は刺激が強いから」はもちろん、「内用外用の併用療法をするべきところ、試しに外用だけを使用した後受診した場合、鏡検時に菌が見つからず誤診を招くから」です。


参考資料:医薬の門 Vol.51 No3 P199〜


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