なお、各年度における後発医薬品行政の変遷は以下の通り。
平成18年(2006年)
処方せんに”後発医薬品への変更可”欄
代替調剤(ジェネリック同士の変更)が可能に
後発医薬品調剤率が枚数ベースで30%以上→4点
平成20年(2008年)
処方せんに”後発医薬品への変更不可”欄
平成22年(2010年)
後発医薬品調剤率が数量ベースで
20%以上→6点
25%以上→13点
30%以上→17点
代替調剤(剤形・規格違いの変更)が可能に
平成24年(2012年)
22%以上→5点
30%以上→15点
35%以上→19点
一般名処方加算2点(医科)新設
処方せんの”後発医薬品への変更不可”が品目ごとに
平成26年(2014年)
後発医薬品のない先発医薬品を計算から除外
55%以上→18点
65%以上→22点
さて、各社の数字を見ていきましょう。(日医工は平成23年までは11月決算だったので、23.12〜24.03の変則決算は除外しました。ゆえにそれ以前は比較期間が微妙に違いますのでご了承ください。)
1.売上高
各社順調に伸ばしていますね。現時点での順位は日医工、沢井、東和の順。過去9年の売上高成長率は
日医工:19.88%なお、成長率の計算式は
沢井:16.42%
東和:12.34%
(直近の数字/X年前の数字)^(1/X) - 1過去9年だとXは8である点に注意。以下すべて同じ。
2.当期純利益
過去9年の当期純利益成長率は日医工:17.58%
沢井:19.11%
東和:24.9%
3.純利益率
4.自己資本比率
5.自己資本利益率(ROE)
6.1株あたり利益(EPS)
発行株式総数によって数字は変わるので、大小の比較に意味はありません。推移を見ましょう。過去9年のEPS成長率は
日医工:11.28%
沢井:16.38%
東和:26.01%
7.株価と株価収益率(PER)
現在の株価は決算発表直後(5/15)の終値を使用。過去の株価は有価証券報告書記載の株価収益率(PER)に上記EPSをかけて株価を算出。同じく大小の比較に意味はありません。推移を見ましょう。各社ともフェアバリューに近付いてきていますね。
とりあえずP/Lのみの比較は以上で。
B/SやC/Fも気になるという方はEDINETへGo!!
また、この4月の薬価改定の価格帯集約による影響はどうでしょう?高めの薬価がついていた東和にはネガティブで、低めの薬価がついていた日医工にはポジティブだったりするんでしょうか?
関連記事:東和薬品が他の医薬品メーカーと違うところ
なお、現時点での各社の筆頭株主は以下の通り。
日医工:創業家社長(10%強?)
沢井製薬:機関投資家(創業家一族計は10%弱?)
東和薬品:創業家社長(40%弱?)
個人的には後発医薬品セクターは成長すると踏んでいます。団塊の世代が退職し、いよいよ本気で病院に行き始めるこの先10〜20年、医薬品業界のパイは広がります。
特許切れによる切り替えでマイナス要素もある先発医薬品メーカーはさておき、後発医薬品メーカーはシェアを伸ばし絶対量も増えます。それこそ、本当はジェネリック医薬品なんて要らないで書いたような事態が起こらない限りは、成長を続けるでしょう。
ただ、「どれを買うか?」は重要です。現時点では日医工を買っていた人はさほど報われていません。
また、「いつ買うか?」も重要です。沢井はさっさと買っておくのが正解でしたが、今が買いとは限りません。一般的に見ればまだ割高です。
言わずもがなですが、投資は自己責任で(^^
メアリー バフェット デビッド クラーク
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