抗血小板薬として用いられるバファリン錠81mgとバイアスピリン錠100mg。これらの違いは何でしょう?以下3つの違いについて順番に。
1.用量の違いバファリン配合錠A81 添付文書pdf
2.剤形の違い
3.メーカーの違い
バイアスピリン錠100mg 添付文書pdf
1.用量の違い
かたや81mg、かたや100mgですが、効果に違いはあるんでしょうか?やっぱ100mgの方が効く?
いえ、まったく効果に違いはないようです。20万例を対象にした大規模調査で、低用量75mg〜150mg郡において、用量による効果の違いは見られなかったとのこと。ましてや81mgと100mgに違いがありそうもないですね。
2.剤形の違い
バファリンの方は、正確にはバファリン配合錠A81といいます。何を配合しているかと言うと、ダイアルミネート(ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート11mg及び炭酸マグネシウム22mg)33mgです。要は制酸剤で、アスピリンによって胃が荒れるのを防いでくれます。
「バファリンの半分はやさしさ」というのは実はウソで、正確には重量ベースにして3割弱ですね。33/(81+33)=0.2895…
バイアスピリンの方は、実は腸で溶ける腸溶錠。コーティングされたままの状態で胃を通過するため、副作用の軽減が期待できます。
とはいえ、アスピリンによる胃の副作用は直接刺激だけではないので完全には防げません。胃が弱い人は胃薬も同時に服用を。
3.メーカーの違い
バファリンはライオン株式会社、バイアスピリンはバイエル薬品株式会社です。共にジェネリック医薬品扱いなので、じゃあ先発医薬品はアスピリン末?と思いきや、メチコバールのように先発が存在しないパターン。
関連記事:ジェネリックなんて嫌だ先発医薬品にして!の愚
なお、OTC(市販薬)のバファリンAの成分は医療用と同じアスピリン(アセチルサリチル酸)ですが、小児用バファリンはアセトアミノフェンで、アスピリンではありませんので注意。
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余談ですが、よくいわれるアスピリン・ジレンマは、今ではほぼ否定されています。
上記大規模調査に中用量300mgから高用量500〜1500mgまでの郡もあり、血小板凝集抑制作用は低用量と同じく認められたそうです。ただ、高用量では消化管出血のリスクが増大したとのことで、やはり通常は低用量での使用が推奨され、増量する際も最高300mgまで(添付文書通り)が推奨されています。
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