国民健康保険の保険証、相当イケてないです。薄くてペラペラで耐久性に劣るのも確かにアレですが、そんなのどうでもよくなるくらいに。
1.有効期限は不要
国民健康保険の有効期限は平成25年11月1日〜平成26年10月31日のように記載されています。なので11月に入ると来る人来る人保険証の確認をしないといけないわけですが、そもそもこの有効期限に意味なんてないんです。
例えば社保だと有効期限はなし、退職時の回収を徹底することで、基本的には「保険証を持っている」ことでその保険は有効とされます。
対して国保はどうでしょう?国保から脱退する(社保に加入するor保険料を滞納する)と保険が無効になるわけで、この脱退タイミングは通常は突然。
ゆえに有効期限は不要です。公務員の仕事増やし以外の意味は持ちません。
2.家族・本人どっち?世帯主氏名?
保険証には被保険者と被扶養者の別も記載されていて、前者なら”本人”、後者なら”家族”と書かれています。
さらに世帯主氏名も記載されていて、ここが氏名欄と違う名前だった場合「え、家族?」と思いがちですが、住民票上の”世帯主”と保険上の”本人or家族”は無関係です。
ゆえに”本人”と書かれていた場合は”本人”です。これを間違えるとレセプト返戻を食らうので注意。
というか世帯主氏名を保険証に記載する必要性を感じませんし、そもそも”本人or家族”の別自体、不要です。
3.保険証が2枚!?
70~74歳の、いわゆる前期高齢者。国保に加入した状態で70歳を迎えると、そこから負担割合が(現状)1割と3割に分かれます。その負担割合は今までの保険証には記載されず、国民健康保険高齢受給者証というサブ保険証の発行で補完されます。
こんなやつですね。負担割合以外の記載事項はほとんど重複しています。
70〜74歳という年齢も手伝って、この国民健康保険高齢受給者証の存在を知らず、保険証しか持参しない人がわりと多いです。
おじーちゃんおばーちゃんは悪くない。悪いのはシステムを作った奴です。それこそ有効期限をうまく使って、旧保険証の有効期限を70歳になる誕生月までにして、次月以降は負担割合を記載した新保険証を発行すればよい。
以上です。
保険証の果たすべき重要な役割を突き詰めて考えていくと、「誰?」「請求先はどこ?」「負担割合は?」この3つだけです。ここを押さえれば世帯主氏名どころか、住所や保険番号すら不要。
生涯不変の国民IDを作り、そこに今現在加入している保険の情報をぶらさげればOK。国保→社保になっても番号は変わりませんし、保険証の切り替えも不要。今は何か動きがあるたびに番号を生成しすぎです。
理想はコモンデータベースの構築と医療のクラウド化ですが、次点の国民IDカード発行&ICチップに情報を埋め込み型でどうでしょうか。
国民総背番号制はよう。
関連記事:国民健康保険資格証明書持参の患者は10割負担ですよ