しかし、これらすべてをチェックする必要は必ずしもありません。慣れている薬剤師にとっては当然の内容を書きますが、そうではない薬剤師の参考になればと思い、まとめておきます。
すべての添付文書を確認する必要はない
ある患者が初めて薬局に来て、Aという薬が処方されていました。併用薬チェックをしたところ、他の病院でBCDEFGと6種類の薬が処方されていることがわかりました。
ここで、BCDEFGの添付文書をすべて確認しようとするのは大きな間違い。ただひとつ、Aの添付文書を見てください。そして赤線で囲まれている”禁忌”の欄にBCDEFGの名前が載っていないことを確認しましょう。載っていなければひとまずOKです。
併用薬の名前がわからなくても焦らない
併用薬の名前が不明な場合、よくありますよね。お薬手帳を持っていない人や、院内処方の診療所にかかっている人など。こんなときも慌てず、患者に「何の病気ですか?」と聞きましょう。
ほとんどの患者は薬の名前は覚えてなくても病気の名前は覚えています。「高血圧だ」「糖尿病とコレステロールだ」などの回答が得られれば、そのカテゴリーの薬に”禁忌”がないかをチェックします。
そもそもそのとき処方されている薬によっては、併用薬チェックの必要すらないかもしれません。例えばビタミンのみの処方、外用薬のみの処方など。
併用薬チェックのポイントは3つ。
1.併用禁忌が多い薬(イトリゾールやタガメットなど)
2.同効薬
3.病態禁忌
まず1
これはわかりやすいですね。併用ダメ、絶対。
次に2
例えば耳鼻科でアレジオンが処方されていて、さらに皮膚科でアレグラが処方されたケース。例えば歯科でセフゾンが処方されていて、内科でフロモックスが処方されたケース。
絶対ダメではありませんが、疑義照会の必要アリ。”処方削除”もしくは”同時服用可”の指示をDrからもらいましょう。
重複投薬防止加算1or2の算定も忘れずに(笑)
例えば他の病院でキサラタン点眼液が処方されている患者に、ポララミンが処方されたケース。例えば妊娠している患者に、セルテクトが処方されたケース。
薬同士の比較だけではなく、その背景である病態にも着目しましょう。
上記の内容を踏まえて併用薬チェックに臨めば、かなり効率的な動きができるはず。時間がたっぷりあるならDIに問い合わせまくるのもアリかもしれませんが、非現実的です。
大事なのは、重要なポイントを瞬時に押さえ、最小労力で、求められた結果をできるだけ早く出すこと。これが仕事の真髄だと私は思います。
薬剤師とて例外ではありません。